【コラム】ニートは精神科病棟に閉じ込めておけばよい

タイトルは本来の趣旨と逆のことを意味するのだが、表面的には同じようなことに見えるのであえて付けてみた。

今、国は医療費削減のためか精神科における社会的入院を減らそうとしている。
それまで家族に見放されたり、そもそも帰るべき家族がいなくて何となく精神科の閉鎖病棟もしくは開放病棟に入院していたヒトを外にリリースしろというのである。

端から見ていると、外で自立して生活できるようなヒトとはとても思えない人が多いのよ。
一方、病院の中ではけんかもするけど、看護師や医師なども含めてそれなりの社会が作られているわけ。もちろん、ソーシャルワーカーのヒトが外で自立できそうなヒトはそれをサポートしているのだけれど、数字の目標を出してとにかく出せといわれても果たしてそれが彼らにとって幸せなことなのかなと思うわけです。

そういう病院的なところで半自律的な生活をするのもありなのではないかと思うわけです。
中途半端に生活保護で孤独な自立風生活をさせるよりは共同生活の中で、その人のレベルにあった仕事をさせるのは無理なのかなと。

ところが、これができない。

何故かというと、少なくとも福岡市では総ベット数が制限されているのよ。
入院設備のある病院って、勝手に作れないのですよ。今あるベット枠をどこか余所の病院から買わないと無理。ひと頃の相場はベット一つで500万とか…

で、病院でなく、そういう施設を作りたいと思っても、やっぱりそれだけで経営するのは無理。何せまともには働けないわけだから。生活保護なり、ベーシックインカムなりのサポートが必要でしょう。ところが、規制のため悪くいえば強制労働収容所的なものは当然認められないわけですよ。

でも、みんなをwinwinに持って行くには、そういう病院と一般施設の中間的な存在があった方がバッファーとして役立つのではないかなと思うわけです。

入所者は労働能力も低いので中国に負けないほどの低賃金で働く代わりに食事と寝るところおよび治療は無料で受けられると。似たような環境のヒトが多いので孤独に暮らすよりは楽しく生きられるでしょう。場所はできるだけ家賃が安いところにして、ある一定の儲けは経営者の懐に入るようにする。場合によっては農業も平行して行い、自分たちで食べる食材は自分たちで作らせる。さらに料理も自分たちでさせてよいだろう。そうすれば国は生活保護としてお金を出すけれど、今よりは安く済むようにする。

こういう施設を入所者の労働能力に合わせてそのまま外に出て自立できるようにするための施設と、場合によっては本当の精神科病棟に戻らないといけないような施設に分けて作るわけ。

で、ニートも軽い方の施設に受け入れられるようにするわけだ。親がいるわけだから本来彼らには生活保護は降りない。しかし、このまま放って置いていざ親が死んだらどうするのか?

ヒトの幸せって、やっぱりコミュニケーションが取れる事じゃないのかなと思うわけです。
再教育とか、職業訓練とか、色々あるけど普通の人のための枠組みの中に彼らを入れてどうにかなるものではないのではないか。もっと敷居の低いところを用意してその人の適性にあった環境に入れるようにしてあげると良いのかなと。

要するに長期入院患者に病院内で働かせても良いようにしても良いんじゃないという話です。