【コラム】給与が低くても社員が充実出来る理由

大抵大きく成功している事業の従業員の給与は業界の平均より少ないことが多いです。
ライブドアも少なかったし、ユニクロもそう。以前勤めていた病院は赤字が多い病院経営の中で一般病院であるにもかかわらず、次々に新しい病院を開業していました。一つの行政区での入院施設のベット数制限があるので、それを潰れた病院からひとつ500万円とかで買っているんですよ。にもかかわらず、黒字経営。病院施設は超綺麗けど、従業員の給与はかなり低かったです。当時はその経営者を見て、なんて腹黒い人だと思っていたのですが、今なら、なるほどそういうことかと納得出来るわけです。



例えば、私は学生の頃に家庭教師のバイトをいくつかしていました。
友人の中には時給5000円とかで働いている子もいましたので、その辺が上限なのでしょう。
一方、私にとって一番忘れられない体験は一番時給が安いものでした。




時給は2000円です。相手は将来CDを何枚も出すことになる某アーティストでした。もちろん、その娘がもの凄く可愛かったこともありますが、行けば必ず夕食をごちそうして貰えて、さらに一ヶ月に一回くらい、革張りのベンツに乗せて貰って、高級焼き肉や中華、ディスコでのパーティー、ホテルの最上階のラウンジなど色々と連れて行って貰えました。


今、時給5000円のバイトとこっちの2000円のバイト、どちらを選びますかと問われたら間違いなく2000円の方を選ぶでしょう。





例えば、ディズニーランドの手取り16万の仕事と税金がつぎ込まれている第3セクターのひらしかえん(仮称)の20万の仕事があったとします。仕事の内容は全く同じアトラクションへの案内です。どちらを選ぶでしょうか?





例えば、ここに全く同じ仕事内容の二つの職場があります。
一つは、男もしくは女ばかりのところで給与は25万。
一方、もう一つは、給与は20万だけど、男と女の割合は半々。年に一回ハワイやラスベガス、バリ島などへの社員旅行があり、月に2回社内の施設でBBQ大会があります。旅費と宿泊費、BBQへの持ち込みは全部会社持ちです。しかし、それらの経費は合わせて1人40万程度。つまり、25万だと年間300万なのに対して、20万の方は280万とやはり支払うお金は低いです。どちらの職場で働きたいでしょうか?
もしくは、どちらの職場の方が離職率が高いでしょうか?




以上3つの内どちらを選ぶかは人ぞれぞれでしょう。しかし、どちらかが絶対選ばれないということはありません。しかし、総じてどちらの方が楽しい体験、充実した経験と人生と言えるでしょうか。
最初と最後のはどちらかというとレジャーの付加価値と言えますが、ディズニーのように、次の人生のステップにつながる教育をする職場というのも価値ある職場でしょう。



経営者としてどういう職場にするべきなのか。
その一つの答えが、働くことに喜びを感じられるような職場、将来的にどこでも通じるような概念や態度の習得できる職場だと思うわけです。



給与が安いことは逆にその人の背中を押して、創造的な次の仕事に向かわせることになりますし、かつそこでの経験が大きく次で活きることでしょう。
次は公務員について考えてみます。