【コラム】日本でイノベーションが起こりにくい理由

何故みんな一部上場企業を目指すのか?
そして、何故色々不満がありながらも社畜として囲われるのをよしとするのか?

身分が安定。
社会的地位が比較的高い。
福利厚生年金が充実。

というのが、第一義的理由でしょうが、それだけなら公務員も同じです。
日本人が公務員でなく、会社を選ぶ理由は自分のスキルをちゃんと評価して貰い、さらにそれを活かしながらステップアップ出来るからではありません。

世界一過剰サービスの国日本では、あらゆるサービスがイノベーションを求めて小さな枠の中で挑戦を続けており、そこに魅力を感じて会社を選んでいるからでしょう。

別段、これがしたいとか、こういった企画を実現したいとかの具体的な目標は無いけれど、これ関連の新しいサービスを作りたいくらいの希望は持って会社に入っているはずです。


毎年、新製品が発売されるたびにあれやこれらのガラパゴスサービスが追加されたものが店頭に並びます。あれって、小さいイノベーションの品評会みたいなものですよね。
個人としては会社にいるからリスクは小さい。大きすぎるリスクを取るかはリターンの可能性と秤にかけて会社が判断します。

しかし、いずれも会社の用意した枠という制約があります。
なんか日本の新製品の新機能がこぢんまりとしているのはそのせいでしょう。

行政上の規制緩和も大事なのですが、結局、起業した小さい会社も含めて企業がどれだけリスクを取れるか、その結果がニーズにどれだけマッチするかという凄く当たり前のチャレンジができるかどうかがイノベーションが起こるかどうかにかかっているわけです。ニーズにどれだけマッチするかはやってみないとわかりません。

ということは、まずは確実に成功しそうなことから着手して、そこで生まれた余剰資産をチャレンジングなことに回していくというのが日本では無難なアプローチなのでしょう。
この考え方は色んな面で意外と大事な気がします。

で、タイトルの日本でイノベーションが起こりにくい理由ですが、すでに過剰サービスで隙間が埋め尽くされている上、起業したときのリスクが大きすぎるからです。
しかし、行政に守られている産業はまだまだサービスを上げる隙があり、起業したときのリスクは上記の方法で補えばよいです。つまり、規制によって守られているサービスに参入して普通に儲けながら、よりハイレベルのサービスに移行するという方法です。結構色々当てはまりますよ。