【コラム】働かないでお金を貰えたら、果たして働かなくなるのか?

キュンキュンさんから二つ論文を紹介して貰ったので、その中身を簡単にご紹介。

ベーシックインカムで例えば、子供二人の夫婦が8万円x4の32万貰ったらもう働かないだろうという議論があります。
また、在日や同和関係の人達は様々な優遇制度があり、コアな人達は働いていないという話もあります。

で、それとは少し条件が違うのですが、キュンキュンさんに紹介して貰ったのは宝くじで当選した人は仕事を辞めるかどうかという調査レポート。


ばっさり結論だけいうと、金額が高いほど辞める率は高くなるが、実際に辞めるのは10-30%程度と意外と低くて、仕事の重要度が高いほど辞める率は低かったとのこと。

細かい数字は色々載っているのですが、そもそも貰う額にばらつきがあり、それと仕事に対するやり甲斐度の相関を計算しているとかではないので省略しましたが、仕事の重要度について考えてみます。

ベーカムに関しては金額が低いので、それ自体が仕事を辞める理由にはあまりならないでしょう。しかし、少しでも嫌な仕事だったら辞めるといったことはますます増えそうです。
といっても、それはやはり仕事の重要度次第でしょう。本来は重要な仕事ほど人の出入りが多い方が仕事と働く人の最適化が働いて生産性が上がるのですが、重要な仕事ほど離職率が低くてはあまり意味がありません。

重要な仕事とは色々でしょうが考えられるのは
新規にものを開発する仕事、
特殊な技能が必要な仕事、
特殊な資格が必要な仕事、
人の生き死にに関わる仕事、
多数の部下を抱えている仕事、
大金が動くことを最終的に決定する仕事、
ほとんど趣味といって良いほど好きなことが仕事になっている場合などなどです。

嫌な仕事でも原発の掃除など重要な仕事なら給与も上げられますが、それ以外はそんな余裕もなく、常に人不足、結果さらに労働環境が悪化してなり手がいなくなり、結局、海外から労働力を持ってくるしかないということになります。

解雇規制を解除しても、似たような状況になります。解雇されるのは重要でない仕事をしている人や、重要な仕事を出来なかった人達です。そういう部分での労働流動性が上がったところで本当の適材適所にはなりません。

では、どうするか。恐らく働く形そのものを変えていくしかないのでしょう。
それを次に考えてみます。