給与を下げても、サービスの質が上がり、従業員のやりがいが上がる方

下記のブログ記事にコメントを書いたのですが、折角なのでこちらにも載せてアイデアを募集したいと思います。


低賃金にすればするほどサービスが良くなるという思想: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)



以下、コメントのコピペです。


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時間がとれなくて、コメント遅くなりました。


何故、仕事は楽しくないといけないのかというご質問ですが、厨二病、お花畑というそしりは甘んじて受けますが、ホームレスの1人1人に至るまで、みんなに幸せになって貰いたいというのが、私のプリンシプルであるというのが一つ。


もう一つは本人が楽しいということは、それだけやりがいがあって、クレームが少ないということでもあり、顧客の満足度も高いということです。また、売り上げもそれなりにあり、上司も満足している状態であり、楽しく働けている環境というのは、事業も上手くいっている良いバロメーターです。そのヴァイブが顧客をさらに増やす効果もあるでしょう。
嫌な仕事に関しても、それを軽減する方法はあると思います。



ということで、仕事の中には嫌々やらざるを得ない、改善の余地が全くないものがあると諦めているというのが労務の立場と考えて良いのでしょうか?



しかし、例えば、炭坑で働く人達の中には、一切作業せずに与太話や歌を歌ったりするだけの人がいたりするそうです。
その人がいることでモチベーションが上がり、鬱病になる人や、事故の頻度が下がるそうです。
恐らく仕事の後の飲みもより楽しいものになるのでしょう。それが仲間意識を高め、炭坑で働くことに自信と誇りを持たせるのだと思います。こういうほんのちょっとの一工夫で、嫌な仕事も改善することが出来ます。



どんな労働環境でもあっても、少しでもやりがいや誇りが持てるようにするのが、「労務」という仕事ではないのでしょうか?
私は全くの素人でわからないのですが、「労務」という言葉からはそういう印象を受けます。



ご質問の件ですが、私が納得したのは労務で働いている人達はそういう考え方をしているんだなという点です。



私は城さんの記事を引用して、幾つかに分けて記事を書いており、その都度TBもしています。その一連の思考実験の流れの中での折り返し地点が該当記事になります。とはいえ、言外に下記の意味は含ませていますし、実はまだ最後の答えには行き着いていなくて、現在の考えを最後に書いておきます。



【コラム】公務員の賃金をいくら引き下げても構わない理由 - AMOKNの日記

【コラム】公務員の賃金をいくら引き下げても構わない理由 解説編 - AMOKNの日記

【コラム】公務員の賃金をいくら引き下げても構わない理由 その2 - AMOKNの日記

【コラム】給与が低くても社員が充実出来る理由 - AMOKNの日記

【コラム】抜本的な地方公務員改革案 - AMOKNの日記



一連の記事を読めば、給与を下げれば下げるだけサービスの質が上がるというのが、言葉通りだけの趣旨でないことはわかるはずです。はっきり書いておくと、同時に従業員のやりがいも上げる方法を経営者は考えないといけないという意味です。また、社会の仕組み全体を変えることも含めて思考実験するのは悪くないと思いますし、該当記事の内容だって、最後の案を応用すると実現可能性はあります。



だから、わからない人のために「給与を下げるだけでは駄目ですよ」ともコメントを残しています。


ただある一定範囲なら、給与を下げることでサービスが上がるレンジがあるのは確かだと思います。日本の大学の医師で高い能力を持った人の給与は他の先進国に比べて、給与レベルが1/3以下ですが、その質の高さは海外の平均値は軽く越えているでしょう。海外のように保険がなければ診ないなんて事はなくて、一度抱えた患者の面倒はしっかりフォローするはずです。一方、海外並の給与を得ている日本の開業医は残念ながらそれだけの質の医療を提供できていないでしょう。元々はこの仕組みを一般化出来ないかというのが着想です。



それ以外にも公務員の一部の仕事はボランティアにして、それでいてサービスの質を上げることも決して不可能ではない思います。



そういう意味では、例えば、アメリカの都市部では3,4歳児を保育園に預けると月に10万円ほどかかりますが、田舎に行くと、教会が無料であずかってくれます。絶対に信者にならないであろう短期留学の日本人の子供であってもあずかってくれます。善し悪しはともかく新興宗教が提供するサービスもそういう仕組みですよね。でも、古い宗教がやっているものもえげつなさがないだけで仕組みとしてはほぼ同じです。




ブログでは医師や他の例を挙げていますが、


例えば、全く同じ系列で別の場所にあるコンビニのバイトを同じ大学のA君、B君がしていたとします。
A君の時給は2000円です。というのは、そこはヤンキーのたまり場でなり手がいないためです。でも、A君は空手5段なので別に怖くありません。
B君の時給は500円です。でも、B君の働いているコンビニは高級住宅地にあり、近くに女子校と女子大もあるため、サービスの質を上げてみると、お客さんから名前を覚えて貰ったりとやりがいが出てきたそうです。


A君もB君もそのバイトは辞めたくないと言います。A君はお金のため、B君はやりがいのためです。サービスがよいのはもちろんB君のコンビニです。コンビニをファミレスにすると、もう少しわかりやすいかもしれません。



最後の例はあまり良くないのかもしれませんが、こういう局所解の例はいくらでもあると思います。それをもっと一般化出来ないかなというのが一連の私のエントリーです。


但し、今考えているスキームのままではどうしても最下層の人にしわ寄せがいってしまうんです。そこをどうしたらよいかなぁというのが今の課題で、貴殿のようなスペシャリストならきっとその解答、もしくは、もっと考えもしなかった角度からの解決法を持っているんじゃないかなぁと思ったからわざわざ書き込んだわけです。


そちらはかなり有名なブログのようですし、ということはブログ主さんは恐らく普通の労務の人とは違った角度からものが見られる優秀な人なんだろうと期待したわけです。


公務員改革の話を取り上げたのは、ひとつは私の一連のエントリーが、それをひとつのテーマにしているのと、
城さんの記事を釣り記事と書いていらっしゃる、ということは、城さんの意見よりももっと建設的で生産性の高いアイデアや考え方を持っていると受け取ったからです。


公務員改革以外にどのようなアイデアをもっていらっしゃるかどうかはわかりませんでしたが、少なくとも公務員改革に関してはもっとより良いアイデアを持っていらっしゃるようだから取り上げただけです。


だから、アイデアとしては何でも構いません。


具体的にいうと、給与が下がっていく中で、サービスの質を向上させ、従業員のやりがいを上げるにはどうしたらよいかというテーマです。今の日本には必須の処方箋だと思います。


例は何でも良いんですよ。この人達業界平均より給与低いのに楽しそうに働いているなぁというのを一度も見たことないんでしょうか?


もちろん、そんなことは不可能だというのも一つの考え方でしょうし、それが労務の一般的な考え方であるというのならそれはそれで構いません。



該当記事だって、そんなの無理だ、と諦めるのは簡単です。
いや、こういう仕組みにしたら、出来るかもと考える人がいることを期待して書いていますし、私の意見に引っ張られないようにあえてあそこで止めています。また、自分自身も思考の流れの中の一つの出口として念頭に置いているわけです。


というか、現実に5%-10%減らされようとしているわけですが、その中でどうしたら、モチベーションを下げないで、かつサービスが上がる仕組みはないものかと考えないのでしょうか?



また、お金を重視する人は、給与の高い働き方をすればよいし、やりがいを重視する人はそちらを優先させればよいと考えています。
だから、公務員はオプションとして副業ができるようにすべきだと書いているわけです。


最近、話題になっていたシンクタンクなんかも、半官半民といった身分の在り方が高まれば、より実現性が高まると思います。


【BLOGOSチャンネル】政府が東電を叩く真の理由とは?仙谷氏の「恫喝」を受けたキャリア官僚、古賀茂明氏が明かす (1/8)

http://news.livedoor.com/article/detail/5661868/



とはいえ、それが結構難しい。ある程度の年齢で給与を増やして欲しい、もしくは、給与を増やしたいと思ったときに増やせる手段がある状態にしたいのですが、その答えがまだ見つかっていません。これから全てが赤字になり、あらゆる既存分野の給与は下がっていくでしょう。その中でお金の代わりに何かが貰えたり、得られたりする労働環境が必要ですし、年齢を経たとき、必要なお金が必要でなくなるような社会環境にする必要もあるのかもしれません。


良い貿易赤字、悪い貿易赤字


もちろん、そもそもの物欲主義、持ち家主義的な価値観を変えるという考え方もあります。



今のところ、私が持っている考えは、複数の職業を持つという積極的ワークシェアリングによって、コストカットと共にセーフティーネットを張りつつ、解雇規制を撤廃していくというものです。


例えば、一つしか職を持っていない人を解雇してはいけないとして、でも、その職の給与は少ないから、どうしても二つ目を探す必要があるといった労働環境作りです。



そのためには一つの職業の単位を週4日とか、午前中だけといった区切り方が出来るようにならないといけません。フルで雇うと解雇出来ないので、ハーフで雇う。それに給与は安いけれど、やりがいが持てるような仕組みを付ける。正社員と派遣社員の間くらいの立場が正社員になるみたいなイメージでしょうか。健康保険は付いていて、年金は別途考えます。こうすることで、必要なときに必要なだけ雇うということがしやすくなります。暇なときは辞めて貰う、でも、職を一つしか持っていなかったら、辞めさせられないということです。


基本的に二つの職を持てるので、自分に合う職場や職業を求めて転職しやすい状態です。



公務員に関しては、業務をボランティアで手伝うことで、将来的に受けられる福祉サービスの質が上がるといった仕組みを組み合わせるのも良いかもしれません。例えば、半分失業中の間に、公務員の業務を手伝える資格を取って、短期間だけ手伝うといったやり方です。人材バンクみたいなものを作っておいて、必要に応じてコアとなる公務員が人を引っ張ってきて、短期間仕事をしてもらうといった仕組みです。
仕事のでき次第で得られるポイントが変わるようにすれば、サービスの質も上がります。




で、ここまで書いて気付いたのですが、そもそもルールを守る人に聞くのが間違っていましたね。


警察官に新しい銀行強盗の方法考えようぜとか、裁判官に法律変えようぜとか言っているようなものでした。自分がなんとアホなことをしているのかに気付きました。たとえ、アイデアがあっても、ルールを護る番人がそんなことは口に出来ないですね。大変ご迷惑おかけしました。


最後にもう一度、給与を下げれば下げるだけサービスの質が上がる方法を書いておきます。これは価値観の問題ですから、これは受け入れられないという人がいるのは当然です。また、このとおりにする必要はなくて、アイデアはいくらでも改変、応用すればよいと思います。みんなが嫌がるような仕事でも、給与を上げる以外の方法で満足度を上げることはできるはずです。


以下のオプションを用意して、それを選べば選ぶほど給与が下がるようにします。

  • 有給の時期を優先的に選べる。
  • 子供を提携する塾に無料で通わせられる(地域で一番の塾を選びます)。
  • 週末、会社の車を自家用車として使える。
  • 空いている時期の飛行機に無料で乗れる(提携する航空会社のみ)。
  • 治療費の全額もしくは一部負担。
  • 提携している病院で無条件に部長に診て貰える。
  • 優先的に社宅に入れる(共同で豪華なマンションを用意して、半分社宅、半分販売用にする、もしくは売れずに腐っているマンションを利用する)。
  • 社宅において、その日築地で仕入れた魚など厳選された食材が無料もしくは実費で配給される。
  • オフシーズンの観光地、保養地に無料、もしくは低料金で宿泊出来る。
  • 働きたい部署や職場や勤務地を選べる。
  • 好きなタイムシフトを優先的に選べる(下げ幅が大きいほど優先度が上がるでも良いです)
  • 社宅に老後もずっと住めるようになる。
  • その際、福祉サービスのランクも上がるようにする。


あとは、これらのサービスを本来払っていた給与よりも安く提供出来る仕組みを考えるだけです。原価ベースで提供出来る仕組みにすれば、十分可能だと思います。


また、このままではスケールが大きすぎるので、あとは事業規模に合わせて、満足度の高い福利サービスに変えていくことです。大事なのは、本来の給与では絶対手に入らなかった質のサービスを確保することです。



これをうまくかみ合わせることで、同じ業界の他の会社より、給与を安くしながら、従業員の満足度を上げて、サービスの質を上げることは可能でしょう。


例えば、築地に毎日買いに行くのは不可能ですが、卸の会社を経営の傘下に入れれば、余った魚を回すだけだから負担は減らせます。



私自身はこんな意見よりももっと予想もつかなかった方法を聞いてみたいんです。
そんなわけで、自分のブログの方で募集することにしました。とはいえ、このコメントを書く中で自分の考えも深まりましたので、非常に勉強になりました。お付き合いくださり誠にありがとうございました。



労働法務の番人として、これからも末永くご活躍されることを心より切に願っております。

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給与が下がっていく中で、サービスの質を向上させ、従業員のやりがいを上げるにはどうしたらよいか


このテーマに関して、アイデア、もしくは実例をご紹介ください。
長くなるでしょうから、アイデアの場合、ブログに書いてUrlをブログのコメント欄に貼って貰えるだけで構いません。


給料が業界平均より低いけど、こんな工夫をしているから、同業の他の所より楽しいよといった実例でも構いません。
(モチベーションが上がって、実績が上がるために給与は平均より高くなっているかもしれませんので、給与のレベルは問いません。)

給与を下げても、サービスの質が上がり、従業員のやりがいが上がる方 - AMOKNの日記