【コラム】ビジネスでもアカデミアでも解雇規制は成功の元

メガバンクで先陣切って始まる 「バブル入社組」の定年問題|Close Up|ダイヤモンド・オンライン メガバンクで先陣切って始まる 「バブル入社組」の定年問題|Close Up|ダイヤモンド・オンライン

金融日記:客観的な成果で評価されることから逃げまわる日本の高学歴エリート 金融日記:客観的な成果で評価されることから逃げまわる日本の高学歴エリート

MyNewsJapan編集長、渡邉正裕氏による「ソリティア社員が国を滅ぼす」 大企業にいる「働かない人々」の実態 - モジログ MyNewsJapan編集長、渡邉正裕氏による「ソリティア社員が国を滅ぼす」 大企業にいる「働かない人々」の実態 - モジログ

池田信夫 blog : 雇用規制から雇用創造へ - ライブドアブログ 池田信夫 blog : 雇用規制から雇用創造へ - ライブドアブログ

上記の複数の記事を読んでふと思ったこと。
まず構造としてアカデミアでもビジネスの世界でも下記のような対立軸があります。

同期入社における管理職として残れた人 vs 窓際族として関連会社に片道切符で飛ばされた人

教授としてアカポスに残れた人 vs 業績が出なくてポスドクとして働いている人
正社員として働いている人 vs 非正規社員として働いている人

左側の人の意見はあまりネットには出てきません。そんなことをしても、落ちることはあっても上がることはないからです。
今までなら十分な退職金と福利厚生、社会保障費を貰えていました。下手に自分たちと右側の人達との差を明らかにするような言動を取るとやぶ蛇だからというのが一番の理由でしょう。しかし、それもあんまり当てにならない時代になりつつあります。沈みつつある船でいす取りゲームをして折角取ったいすから離れられなくて船と共に沈んでいく感じでしょうか。それでも、定年間近ならまだ勝ち逃げ出来そうですが…

一方、ネットにある意見のほとんどは左側の人に対する右側の人ルサンチマンから来る意見です。

何故そんなことになるかというと、そもそも左側の人のポジションがその仕事に適正があるあるから手に入ったわけではないという構造的な問題があるからです。

本社の管理職に就いた人は、若いときに減点項目が無く、強い派閥に入れて、ボスに気に入られて、ほんの少しの高い業績があったからなれただけで、同社をさらなる発展に導く革新的な経営判断が出来る資質があったからではありません。

教授になった人も、教授として次々にNature, Scienceを出せるようにラボをより生産的に運営出来る資質があったからなれたわけではありません。ビックラボ、著名なPIの元でたまたま良い論文を出せたからなれたに過ぎないわけです。

正社員だって、新卒の時に所属大学名をシグナリングとして利用してなれただけで、入社した会社に革命的な新製品や新サービスをもたらす資質があったからなれたわけではありません。

しかも、いずれにも共通するのは、本来の目的を達成しようが出来なかろうが、クビにはならないことです。


アメリカでは本来の目的を達成出来なければ、アカデミアの世界でもビジネスの世界でもクビになります。


最初に挙げた記事を読んだ右側の人達は、早く解雇規制が撤廃されて、同一労働同一賃金になればよいのにと言うわけですが、そこで待っているのは過酷な競争社会です。
結果的に、捏造、詐欺、架空請求などブラックなことが横行し、自殺も増える可能性もあります。

逆に言うと、右側の人達にとって、今の状況はかえって好都合とも考えられます。

左側の人達は、犯罪でも起こさない限りクビにはならないし、いわゆる「上がり」な訳ですから挑戦的なことをする必要もありません。目立つと叩かれる可能性があるので、かえって手を抜くくらいの勢いです。

つまり、左側の人達はみんなかなりぬるい状態で仕事をしているわけです。

例え、右側の人が、競争社会になるにしろ、ならないにしろ、左側に行ったとしても結局は左側のいすの数が増えない限り状況は全く変わりません。競争社会になると余計に厳しいでしょう。

そこで、考えるべき方向性としては、今のままの状況で左側の人を出し抜くスキームをいかに考えて立ち上げるかです。誰かにして貰おうとか、誰かに雇って貰おうとか、政府にして貰おうとか、考えているうちは何も出てきません。起業なんかしなくても出来る方法はあるし、起業なんていつのまにかそうせざるを得なくなってやってしまっていたくらいの方が良いです。
下記は起業の話ですが、まさに例としては適切でしょう。これ読めば分かりますが、そうせざるを得ないことを繰り返しているだけです。別にもの凄い経営判断をしているわけではありません。最初につくったスキームが自律的に走り出しただけなんです。
しかも、今の時代、そんなスキームはかなりのローリスクでできます。大事なのはこんなサービスが欲しいと思えることに取り組むことです。

本を送るとスキャンして電子書籍化してくれる「BOOKSCAN」の裏側を見せてもらいました - GIGAZINE 本を送るとスキャンして電子書籍化してくれる「BOOKSCAN」の裏側を見せてもらいました - GIGAZINE