【コラム】これからの日本

日赤の義援金の分配が、死亡・行方不明者は1人当たり35万円¥、住宅の全壊・全焼は1戸当たり35万円、住宅の半壊・半焼は同18万円、福島第一原発の30キロ圏内は、住宅の損壊程度にかかわらず、すべて「全壊」と見なし、1世帯につき35万円を支給するらしい。
また、失業保険が元の職場に戻るとしても420日分と延長されるそうです。


しかし、義援金だけでは半年分の生活費にすらなりません。失業保険が出ても、せいぜい1年半です。

全財産無くなって一から出直しでは、茫然自失というのが普通でしょう。

スキルや資格があれば、他の土地に行って何とかなる人もいますが、そんな人は極少数。

とにかく他の場所で仕事を見つけると言っても、震災前から働く場所がなくて困っている状態なのにそれも無理筋。

すると、復興に関係する仕事についてみんなで再度ビルドアップしか道はないわけです。とはいえ、田舎ですから田畑を人に貸して生活していたとか、家も建ててしまって貯金で生活していたという人も沢山いるでしょう。

そのため、どうせなら税金から出る復興費も合わせて、そのお金でシェアハウスみたいな寝る場所と食事は完備の施設を作ってはと最初考えましたが、中抜きがどうしても出るから結局直接お金を配るのが一番分配率が上がるんですよね。

それにしても、その金額ではいかんともしがたいのが現実です。


一方、東電の賠償金が10兆円にのぼるという説もあります。
避難した人は8万人前後なので、2兆円を廃炉関係に回すとして一人当たり1億円になります。こちらも現金が配るのが一番分配率は高いのでそうすべきでしょう。

しかし、津波で家を無くした人が数百万円、原発の近くに住んでいた人が、1億円、しかも税金の投入されたお金では誰も納得しないでしょう。1億円くらいが割と妥当な金額だとは思いますが、原発の近くに住むリスクを取っていたという考え方もありますから、実際は税金の投与無し、もしくは、東電幹部や社員の収入を大幅カットして津波で家を無くした人より少し多めくらいにしないと誰も納得しません。しかし、それも実は結構無理筋なんです。
なにせ震災後にボーナスを7%も上げることを決めるような会社ですからね。


まぁ、いずれにしても、誰かが身銭を切らないといけないわけです。

今までは既得利権を守っていても、何とかやっていけたわけですが、これからはそうはいきません。もう本当どうしようもないくらいそうはいかない状況です。

休眠口座の活用は、それを今までねこばばしていた銀行が。
国民背番号制は自営業やブラックな人達が。
電波オークションではテレビ局や携帯電話会社が。
税金投与と合わせての国家予算分配削減では公務員が。


増税しようとしていますが、単なる増税では経済が冷え込むので、結局、新自由主義の人達が言っていたことを次々に実行していかないと、成長および雇用の創出は無理でしょう。それは結局格差を広げる方向になるでしょうが、そうでもしないと被災者の中から這い上がれる人が全くいなくなります。あるとしたら、コネを使って復興再建で仕事を一杯貰うという方向性ですが、全体のパイが上がる訳じゃないので、それも結構厳しいんじゃないでしょうか。


要するに池田信夫大前研一が言っているような政策を渋々やるしかない状況になるんでしょうということです。つまり、規制緩和や解雇規制の解除、本当の意味での再出発、中途採用の拡大、実力主義と言った方向性です。


被災者の人はもう後がありませんから、西日本の今まで通りのんびり働いている人とでは働くときの気力が全く違います。もちろん、絶望して諦める人も沢山いるでしょうが、同じ平等主義の元働くのに2種類のタイプの人がいるという時代になります。まぁ、総人口的には大した数ではないのですが、少なくとも一度利権やポジションを得たらもう安泰という時代ではなくなるんでしょう。