【コラム】aicezuki君はどうやったらばれずに済んだのか?

aicezuki君が凄いのはあれを一人でやったというところでしょう。
母子家庭で可哀想という意見もあるが、その前に予行練習を何度もしていたというニュースもあったので、かなり計画的だったといえる。

もし、あの方法を改善するとしたら、例えば、普段から問題を出すサイトを作っておき、予想問題と称してロボットに問題を出題させ、問題の数字や内容を少し変えて質問していたらどうでしょうか?
もう絶対足がつきませんよね。予想が当たったとしか思えないわけです。


でも、aicezuki君が凄いのはそこで、ヤフーを使ってしまうという大胆なコストカットをしてしまうところです。あとは問題の内容を微妙に変えておけば完璧だったんですけどね。

いずれにしろ、しばらくは答える人も質問が立ってから1日おいて答えるようになるでしょうから同じ手は使えません。とはいえ、2年も経てば大丈夫な気がします。


さて、では、複数犯で確実にばれないようにするにはどうしたら良かったのでしょうか?

カンニングカンニングと言いますが、あれを成功させるには三つのステップが必要になります。

まず、問題の持ち出し。
次に解答の作成。
最後に、解答の参照です。

Aicezuki君が凄いのはこれを携帯一つで全部してしまったことです。
まず、最初の打ち込みの早さと正確さ。
次に付くかどうかもわからない解答が付くことを予行演習で見越していたこと。

最後が一番難しいと思うのですが、答えを参照するステップです。
本当に不思議なのは、ある程度携帯を凝視しないと答えは絶対読めないと思うのです。これ絶対横の人は気付いていたはずです。
特に試験の終盤だと、諦めたりして、周りを観察し始める人もいるでしょうし。

京都大学の受験を4回も5回も繰り返しているならともかく最前列で、試験監督がどれだけ厳しいかも分からないのに携帯で答えを参照する。

これって、想像しただけでも心臓バクバクものです。
しかも、答えは複数ある可能性があり、どれが正解かも見極めないといけません。少なくとも、それだけの学力は必要なわけです。

彼の一番の持ち味はそこのステップに垣間見える胆力でしょう。


さて、複数犯でのやり方について考えてみます。

問題の持ち出しはダミーの受験で開始早々に持ち出すのもありですが、一日に複数の科目を受験するのでそれでは不自然で怪しまれます。
ということは、やはり、何らかの方法でコピーや写真を撮って持ち出す必要があります。高性能のカメラを洋服に仕込んで、問題を見るふりをして少し紙を持ち上げて全部遠隔操作で撮影してしまうというのが一番楽でしょう。ついでにその人がある程度解答も考えて、その答えもカメラで送るようにすると、一石二鳥です。その人が実際に合格したい本人だと人数はさらに絞れます。

次に持ち出した問題を解く人が外に必要になります。人数は最低一人。内容を少しアレンジしてヤフーで聞くというオプションもありますが、不確実なのでおまけと考えて良いです。いずれにしろ、持ち出し担当の人と外の人2人でガンガン問題を解きます。

そして、一番の難関はやはり最後のステップです。
ソニーの最新の有機ELは形状がかわるので、手首に巻いて答えを送るというのもありですが、そういう機器はまだ発売されていません。
携帯を見るのもこれからはかなり難しいでしょう。

そこで、今一番安全確実な方法は、補聴器の形をしたトランシーバーで答えを音声で伝える方法です。イヤホンはインナー型にしてあらかじめ絶対音が漏れない音量に調節しておきます。イヤホンを手首に仕込んでおくという案もありましたが、あまりにもリスキーです。長髪にして黒いイヤホンを隠すという方法もありますが、それもリスキーなので、補聴器が一番安全で自然です。

さらに携帯をポケットに仕込み、聞き取れなかったらリダイヤルで知らせれば、再度答えを読み上げるようにしておきます。これを終盤の30分とかにするようにします。どの問題の答えから知りたいかはそれこそブラインドタッチで携帯で知らせても良いし、リダイヤルを切る時間を変えて、再度聞きたいと、その問題はパスの2種類の信号を用意しておいても良いでしょう。

いずれにしろ、もし、本人の学力がそこそこあるなら、外にもう一人いるだけで出来る方法です。これをツーマンセルで、東大と京大とかでやるとか、違う学部、前期後期でやるという風にすれば、学生同士でやることは可能です。

問題を解く能力があるなら大人がパートナーになることも可能です。
今は就職が厳しいですが、京大や東大ほどになると、シグナリングとしては強力ですから、100万もあれば十分ペイするでしょう。

ネットを使わなければ、偽計業務妨害で罪に問うことも出来ません。

しかし、こんな確実な方法で入るような人には企業も興味はないでしょう。
やはり、その実行力を買って、私ならaicezuki君を最初に雇いたいと素直に思います。就職におけるシグナリングとしては最強ですから、今後次の受験や就職に困ったらマッチポンプで実名を2chにさらすのも一つの方法でしょう。


さて、では正攻法での受験で絶対に落ちない方法はあるでしょうか?
ある程度上の大学になるとその大学専門の模試があります。
河合、駿台、代々木くらいの規模が望ましいですが、それで定員の上位20%に入っていれば、当日どんなに調子が悪くてもまず落ちることはありません。
逆に言うと、浪人したならそれくらいの成績を取れるところを滑り止めでも良いので絶対受験しましょう。


藤沢数希氏が「東大と京大の英語と数学と物理なら1ヶ月ぐらい勉強すれば制限時間内に9割ぐらいは取れそう。」とか言っていますが、それだけ取れたら理IIIに合格出来ます。1ヶ月で合格出来るなら今頃社会人受験生が山ほどいるはずです。

確かに東大京大より下の大学の数学と物理は余裕で満点取れますが、東大京大になると、模試でも満点取れる人はほとんどいません。解けそうでも、制限時間内に全部は出来ないのがあの問題のみそなんです。