【コラム】「海外向けネットショップで年収2億超えた」は可能か?


正月早々景気の良い話が上がっていた。
http://hamusoku.com/archives/3889507.html
http://b.hatena.ne.jp/entry.touch/hamusoku.com/archives/3889507.html

本当かどうかは置いておいて、現実的にどういう仕事になるか考えてみよう。
年収2億(税金1億)だから利益が2億で商材の調達費は別途かかるわけだけど、とりあえずここでは売り上げ2億として考える。

単価を
10万、1万、1000円で考えると、その数は2千個、2万個、20万個になります。
これを365日で割ると、5.4個、54個、547個になります。
実際の注文数は、1/3から3倍くらいで揺れるでしょうから、一日の注文数はそれぞれ1.8−16.4個、18−164個、182−1643個になります。

1000円だとマンガくらいでしょうか、1万円でフィギュア、TENGA、洋服、10万円だと絵画、高級ブランドなどの価格になります。

10万円するものが、毎日5個も6個も売れるとしたら、ファッション関係でしょうが、どれが売れ線かはわかりませんし、在庫を抱えるリスクが高すぎます。

そうなんですよね。実は、商材の種類が多ければ多いほど、売れない在庫の問題が出てくるのです。よって、この手の商売を個人でするならピンポイントで商材を絞り込んだ方が良いです。また、在庫を抱える場所と、それが売れないリスクは出来るだけ回避した方が良いでしょう。

また、単価1000円だと最大一日1600個近い注文が来ることになります。
これを4人で分担してやったとしても、一日一人400個です。パッキングを3分でやったとしても20時間必要です。

よって、一番効率がよい商材は1万円前後の物となります。一日に処理する数は18−164個ですから、確かに4人いれば十分そうです。

問題は売れない在庫を出来るだけ抱え込まないように、また、売れる物はそれだけ在庫を持っていないといけません。最低1週間分くらいは持っておきたいでしょうから、1週間分の在庫を持っておくためには378万円分の在庫を持っていないといけないということです。

これを6畳間の半分に積み上げるとすると、10cm, 20cm, 30cmの立方体としてそれぞれ、
高さ40cm, 3m, 10mとなります。

いくら毎日売れるからといっても、378万円分の在庫をかかえるのはちょっと怖いですよね。
しかも、件の場合、実際は利益が2億です。転売の場合利益率は10−20%程度。
300万円分の在庫でも、3000万から6000万分の商材となります。って、絶対無理じゃん。

では、利益率10%か20%、年収2億で再度計算してみましょう。
この場合、売り上げは10億になります。10%なら20億です。
商材の値段を1万円に固定すると、一日に売れる数はそれぞれ540個と270個です。
売れる数のぶれから考えると、180−1640個、90−820個です。

これを4人で処理します。注文のぶれは作業量を毎日平均化することで対応するとしてパッケージングに3分かかるとすると、27時間と13.5時間。
3分間のパッケージングでもありえないのにこれは尚更不可能な数字です。

1週間分の在庫を6畳間の半分に積み上げた場合の高さですが、10cm, 20cm, 30cmの立方体としてそれぞれ、10%で3.7m, 30m, 102m, 20%で1.9m, 15m, 51mとなります。


しかし、実際、個人で輸入代行業をする場合、脱サラでやるにしても、副業としてやるとしても、年収1000万もあれば御の字でしょう(税金社会保障費がそのうち20%くらいかかります)。

その場合の数字も計算しておきましょう。利益率は10%としておきます。
商材も実際は1万円から5000円くらいでしょうが、1万円と1000円の場合を考えます。

その場合、売り上げは年間1億です。
一日に売れる数はそれぞれ2.7個と27個です。
売れる数のぶれから考えると、1−8.2個、9−82個です。

人を雇う余裕はなくなるので、嫁さんと二人でパッケージングしましょう。
一つ10分として、1000円の場合は一日45分から6.5時間と比較的現実的な数字が出てきます。

1週間分の在庫は約20万円です。

1000円の単価の物で1週間分の在庫を6畳間の半分に積み上げた場合の高さですが、10cm, 20cm, 30cmの立方体としてそれぞれ20cm, 1.5m, 5.1mとなります。

小さいサイズならまぁ、無理でもない量です。

しかし、その他にも幾つか問題があります。
まず、アマゾンで売っているものは使えません。アマゾンはどこもデザインが一緒なので字が読めなくてもボタンの意味は分かるし、Google translateで翻訳出来るし、クレジットカードも使えるからです。また、海外発送も対応しています。

売り物の大きさは倉庫を借りないのなら、現実的には20cmの立方体サイズが限界です。

在庫を抱えないためにもできるだけバリエーションの少ないものが望ましいです。
洋服ならワンサイズの1点売りくらいの割り切りが必要です。

ブランド品のバッグなんかが利益率は高いのですが、売れないリスクが高いので売れない場合の損切りの経路を確保する必要があります。

そう考えると、情報商材って、本当ローリスクですよね。