【コラム】Taylor Swiftと日本の音楽ビジネスについて

アメリカで一番人気のあるアイドルといえば、Taylor Swift。

オフィシャルYoutubeはここ。
http://www.youtube.com/user/taylorswift?blend=1&ob=4

詳しい経歴はWikiで。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%95%E3%83%88

発表した曲の動画付き年表はここ。
http://www.youtube.com/artist?a=GxdCwVVULXf_Nj1lDgtNDhDxYvfDUonK&feature=artistob

カントリーポップの歌手で、Shaina Twain以来の美人歌手とあって、小学生から大学生までみんなの注目を浴びている。
歌はShaina Twainほど上手くないし、造形の綺麗さでの美人度でも負けるけれど、少し狐顔で普段は地味だけど、化粧してメイクアップすれば、お姫様みたいという届きそうで全然届かないところが受けているのでしょう。さらに性格はよくある美人タイプ(Queen Bee)でなく、意外と2.5枚目くらい。テレビドラマでの演技がHuluなんかで見ることが出来るけれど、美人で色っぽいけど気さくで打ち解けやすい感じといった印象を受ける。そこも受けている理由の一つでしょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF

Queen Beeの説明はここ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF



日本だと最後の国民的ピンアイドルは松浦亜弥ミキティーくらいだけど、それも国民的かどうかといわれると疑問符が付く。しかし、Taylor Swiftは間違いなく国民的アイドルと言えるくらいの人気がある。
同じようにインターネットが発達し、違法mp3の広がり方ではアメリカの方が酷いのに何故こんなに差が付いてしまったのか。日本ではピンアイドルはもはや存在し得ないのでしょうかね。
美人で歌が上手い歌手は平成になって結構出てきています。Melody.や伊藤由奈なんかはかなりレベルが高いにもかかわらずそこまで売れていません。二人ともクオリティーに関してはTaylor Swiftにも負けないものを持っていましたが、松浦亜弥にすら軽く負ける程度の売り上げしか挙げられていないでしょう。ここで大事なのは別に駒が無いわけではないということです。価値観が多様に拡がったので、選り好み出来るAKB48の戦略性が成功の鍵というとらえ方もできますが、perfumeはあの3人だったからこそ成功したという見方も出来ます。要はマーケティング固定観念に捕らわれすぎているというのもあるかもしれません。


また、一つはショービジネスの在り方が違うというのもあります。
こちらはライブとそこで売られるマーチャンダイズで儲けるというビジネススタイルが確立しているので、とにかくまずその歌手の存在を知って貰うことが大事。
そのため、Youtubeの違法アップロードも放置するし、CDも10ドル前後で売られます。10ドルって、今だと820円だから、日本のシングルCDより安い。


一方で、ニコニコ動画ではプロの作品に匹敵する曲や動画、さらに二次制作品が多数無料でアップロードされています。これはアメリカにはない文化です。あのようなスキルを持った人達はちゃんとマネタイズしています。


日本では、プロとアマの中間を行くセミプロの存在が希薄なのが問題なのでしょう。
その一番大きな原因はレコード会社や所属会社の高コスト体質と囲い込む体質。ここの中間マージンをカットしたビジネスモデルを立ち上げれれば、各ステップに関してはモジュール化した小さい会社を連結することで臨機応変に事業拡張出来ます。


例えば、電子書籍でゲリラ的に著作権料を上げたスモール出版社が出てきたみたいに音楽においても500−800円くらいで高音質デジタル配信のみ(+動画)を手がけたレーベルが現れても良いし、メタリカが毎回ライブ音源を10ドルで配信しているように、全てのライブ動画を1000円−2000円で売るのも良いでしょう。
こういった会社は今すぐにでも立ち上げることは出来ます。
大手は最初は断るでしょうが、伸び盛りのアマチュアや、売れないプロから順次仕事を受けていけば、そのうち大手も無視出来なくなり得ます。
要るのはサーバーと、録音録画機器、および編集ソフトです。この辺はいくらでもコストカット出来ますからリスクも少ないです。

YOUTUBEで、テレビ放送やライブの様子をアップしたもののカウンターがもの凄く上がるということはそれだけ需要があるということで、それをちゃんとキャッチアップ出来ていないのが問題なんですよね。無料じゃなくても、小額なら払う人は多数いるはずだし、それにオフィシャルの許可が付けば、値段も少しは上げられます。


露出過多で売れなくなるんじゃないのかと心配したり、パフォーマンスが完璧じゃないのでといったことを心配する向きもあるのでしょうが、だからこそ価値が出ると言えます。あぁ、この時のパフォーマンスは神がかっていたねとか、この時は体調が悪くて駄目だったけど、その表情に萌えるとか色々楽しみ方はあるし、だからこそ本物をライブで見てみたいと思わせられるようになります。また、細かいパフォーマンスの違いもわかるようになりますから、やっていることの細部にわたり楽しむことが出来るようになるメリットもあります。あぁ、今日はあそこのステップが完璧だったねとか、あそこの振りを間違ったねといった部分です。


誰かやってみませんかね。始めるのが早ければ早いほどノウハウが貯まるので有利になります。ネットビジネスで儲けている人達って、結局、最初に色々失敗しているからこそ今の成功があるんですよね。あとはどれだけ付加価値を付けられて依頼を取り付けられるかです。