【コラム】アニマルスピリッツに火を付けろ

Nogaさんのコメントがついたのでそれに対する答えと共につらつらと書いていきましょう。

英語が堪能でも就職先に困るのは、英語が単にコミュニケーションの手段に過ぎないからで、必要なのは英語を使って何を表現するかのプラスアルファ、それは技術だったり、知識だったりするわけですが、逆に言うと、そういう特殊技能をちゃんと身につけていれば、多少英語がしゃべれなくても海外ではちゃんと雇って貰えます。

日本の英語教育を変えるとしたら、一点のみ。発音をちゃんと教えることだと思います。
文法などの日本語による教育法はかなりブラッシュアップされており、改善の余地はほとんどありません。

しかし、問題はちゃんとした発音を教えられる日本人教師がほとんどいないということです。前にも書きましたが、逆に言うとこれは就職先として非常に有力なポジションで、3，4年の訓練で平均以上の年収が得られるようになります。

で、本題ですが、問題はそういうことではなくて、ビジネスの場で世界に打って出るという肌感覚はやっぱり一度海外で暮らしてみないと身につかないと思うんですよね。それは自分の実体験からもそう感じるわけです。世界の中でちゃんと世界を相手に競争する環境に身を置かないと、何が武器になるのか、何が足りないのかは分からないと思うんです。それは決して語学力ではありません。

少なくとも論理的なやり取りをしているときは解釈の方法は一つしかないので困ることはありません。実際の取引はもっと感情的な部分で動いているので、語学力でカバーすることも少しは出来ますが、実際は相手にとって利益になるような餌を用意しないといけないのでそれには英語力ではなく、先見性と論理的な交渉力などが必要になります。

また、本当に世界に打って出ると決めたときの実働部隊は確かに英語や中国語は必要ですが、国内でバックアップするスタッフなどには英語力は全く必要ありません。

つまり、必要な要件は、学歴に関係なくアニマルスピリッツを持った若者が一定期間海外で暮らすということです。
実際は高校生くらいからで十分でしょう。

問題はそれを誰がバックアップするのかという所に行き着きます。
しかし、現実には最近の若者は海外に行くのをためらう傾向が強くなっています。留学する学生の数もどんどん減っています。留学先での成績なんてどうでも良いんですよ。人脈と、世界はどうやって動いているのか、その肌感覚を身につけることだけが大事なんです。

生活保護で一人100万以上も支給するくらいなら、いっそのこともう少しプラスアルファするから海外で暮らしてこいというのも一計ではないでしょうか。または生活保護を申請する健常者は最低1年は海外行ってこいやとアニマルスピリッツに火をつけるのもありでしょう。
そこに高校生や大学生の枠を作るわけです。若者なら2年もあれば十分なので、とにかく行ってこいと。何が世界で求められているのか、ちゃんと見てこいと。起業するのに学歴は関係ありませんからね。むしろ、学歴は邪魔になるくらいです。だから、募集者の選別は一定の常識をクリアしていれば、もうくじびきで十分でしょう。

ポスドクを10万人にしても起業はさっぱり増えなかったんだから、いっそのことこういう使い方がもっと効果的なんじゃないのかと思います。