【コラム】中毒は運動することで抜け出せる!?

さて、昨日の学会で一番面白かった情報。
動物実験だからどこまで人に当てはまるかは微妙なところだけど、変に最新の技術を使っていないだけに結構当てはまる可能性はある。

1)まず、コカイン中毒に仕込んだラットに結構な運動をさせます。すると、運動していなかったラットに比べて中毒が解けてくスピードが速くなる。

2)一方、中毒の仕込みを運動中にしたラットはむしろ遅くなる。

3) また、運動中に一度でもコカインをうってしまうとやっぱり中毒が解けるスピードは元に戻ってしまう。2)の影響を反映しているんでしょう。

運動しているものでは海馬の神経新生には差はありませんでした(運動することで海馬の神経新生が増えることはすでにわかっています)。


問題は中毒性が下がったのか、単に中毒の記憶の消去が早くなったかなんですよね。
一応海馬の実験から記憶の消去が加速されたと解釈しているようですが、中毒性が下がったという可能性も残っています。

シンプルな実験なんですが、結構いろんな可能性を考えさせられます。

よって、もし追加で実験をやるとしたら、
運動させた後で、中毒を仕込み、さらに運動をさせたものとそうでないものを比較する。
別のパラダイムによる中毒の仕込みを運動中の仕込みの実験でやってみて両方に影響があうか見てみる。
とかでしょうか。まぁ、神経新生の影響とかまで見ようとしたら色々できますけど、そういう分子生物学的なアプローチや薬理的な実験よりももっと生理的な実験で解けた方が結果としては信じられるんですけどね。


いずれにしろ、1)の結果だけを見て、何か中毒性のものにはまっている人は結構な運動をしてそれを完全に絶っていれば、中毒性から抜けやすいかもよという話。なんか、部活しているヒトはあんまりゲームとかしないのと関係してそうw