【コラム】お金になる絵とならない絵

ネタ帳には「お金になる絵とならない絵」とあるんですが、何なんでしょうか。

考えてみましょう。

きっかけはマティスの絵を見たときだったと思います。
マティスは最後の作品までデッサン力は上がっていないわけです。
http://www.google.co.jp/images?q=%E3%83%9E%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B9&oe=utf-8&rls=org.mozilla:ja:official&hl=ja&client=firefox-a&um=1&ie=UTF-8&source=og&sa=N&tab=wi&biw=1440&bih=716

感性が大事なんだとか、心で見るものなんだとかいろいろ言う人はいるでしょうが、何の前情報もなかったら、他の人が評価しているという情報もなかったら、これらの絵を見てどう思うでしょうか?
変わった絵だ、こんな絵は普通描けないよと思うでしょうか?

でも、これらを描いた背景を説明されると結構絶句しますよ。全部は書いていなかったので想像ですが、例えば、窓から見える風景をちょっと描いてみました。でも、途中でやめちゃった、エヘ。みたいな感じなんですよ。

独特の感性があるのはわかるのですが、それを作品として仕上げるときの能力は問われないのか?とどうしても思いたくなります。

また、ダリもそうなんですが、奇をてらった絵は一歩間違うとかなり寒い絵になってしまうんです。底や裏が見えてしまったらそこで終わりなんです。
印象派でも良いんですが、もっと直球勝負な絵が評価されないのかとどうしても思ってしまいます。


一方、世の中には絵の上手いヒトは沢山います。実際、マティス展でも全く同じものを遙かにリアルに書いた絵が横に飾ってありました。でも、そうして並べるとどちらがお金になるかというと確かにマティスの絵なんです。


また、手塚治虫が出てきてから日本では多数の漫画家が生まれ、さらに多数のセミプロイラストレーターが生まれています。最近の作品はデジタル処理のおかげで本当にどの絵もめちゃくちゃ綺麗だったり、リアルだったり、キャラクターとして魅力があったりするわけですが、やっぱり彼らは所詮セミプロ止まりであり、絵の価値は作家の絵を描く能力と比例しないんだと気付かされます。


結局、とても上手な絵と売れる絵の違いは何なのかというと、
売れる絵は見えないものが見えているような絵であり、見えないものを追わせるような絵
なんですよ。

ということは、売れる絵の描き方には二つのアプローチがあることがわかります。


一つ目は、どんなに頑張ってもそんな絵しか描けない天才型。たぶん、売れている画家のほとんどがこのパターン。

二つ目は、そういう絵を狙って描く。但し、模倣になることが多いのと、そもそもそんな絵が次々と思い浮かぶ時点で基本的に最初のパターン。

あと絵の才能って、結構早い時期から決まっているような気がします。
少なくとも、自分は少しは絵が上手いけど、それでも小学5年生頃には自分の限界に幻滅していましたから。

ということは、これも二つの可能性が考えられます。

絵の才能は生まれたときから決まっているのが一つの可能性。これはどうしようもない。

二つ目は育った環境によって、徐々に形成されるもの。但し、10歳くらいまででほぼ決まってしまうという可能性。


さて、どんな画家が売れて欲しいかというと、
独特の感性を持ちながら、かつそれを極上の絵に仕上げる能力がある作家さんですね。

絵に描かれている枠の外側の世界が見えるような感じであり、今にも動き出しそうな絵であり、声や音が聞こえてきそうな絵であり、現実にはない色でありながら、むしろリアル感が増したような絵であり、まるで自分がそこにいるかのような錯覚を覚えるような絵ですかね。

それって、私のGarmashが好きな理由なんですけどね。
http://www.google.co.jp/images?q=garmash&oe=utf-8&rls=org.mozilla:ja:official&hl=ja&client=firefox-a&um=1&ie=UTF-8&source=og&sa=N&tab=wi&biw=1440&bih=716


あと、自分には全く想像のつかない世界観という絵も売れますね。