【コラム】DQNとオタの欠点を併せ持っているポスドク、IT、CG土方

DQNとオタについては前回のコラムで取り上げました。ここからが本題。

世に工事をするわけでもないのに土方と呼ばれる職業が存在します。
実験をするポスドクピペット土方=ピペド
アニメやCGを描いたりプログラムする土方
プログラマーIT土方

三つとも世界無二のもの作りをしているにもかかわらず、給与水準がかなり低く、社会保障もほとんどなく、「きつい、汚い、危険」の3Kどころか、5K, 10Kとも言われる。
給与水準は最低ではないが、一番下から一つだけ上というのが現状だ。

公務員のおいしい給与システム
PRESIDENT 12月号 111ページ  全公開!日本人の給料

    職業           平均年収   人数
■ 地方公務員         728万円   314万人
■ 国家公務員         628万円   110万人

  上場企業サラリーマン   576万円    426万人
  サラリーマン平均      439万円   4453万人
  プログラマー         412万円    13万人
  百貨店店員         390万円    10万人
  大工              365万円     5万人
  幼稚園教諭         328万円     6万人
  警備員            315万円    15万人
  理容・美容師        295万円     3万人
  ビル清掃員         233万円     9万人
  フリーター          106万円    417万人
http://plaza.rakuten.co.jp/mimolove18/diary/200911100003/

芸術、科学、技術の根幹をなす仕事なのに給与は安いわけです。

共通するのは言われたことをやるだけという所ですが、実はこの三つの土方にはもう一つの特徴があります。

芸術、科学、技術の根幹をなす仕事故にクリエイティビティーを発揮する余地が残っているところです。

テーマを決めるのは上の仕事なんです。だから、何でもかんでも好きなようには作れない。
でも、好きなことをしているところを選んで働くことはできる。

さらに極稀ですが、テーマを決める上の仕事にジョブチェンジするチャンスがあるというところです。上の仕事は給与が安定し、社会保障が安定していて、社会的地位も高めです。
上の仕事は完成品をイメージするのが仕事であり、個々の仕事を美しく仕上げていくのは仕事ではありません。

さて、本題。

土方やっている人はまずその仕事が好きというのが一番にあります。
好きでやっているから少々給与を減らして、待遇を悪くしても参入してくる人はいるという市場原理が働いて今の状態に陥っています。

言い直すと、こだわりを持ってその仕事を選んでいるわけでオタ的な生き方と言えます。
実はそれ以外の仕事をした方が能力を発揮して、給与ももっと高くなるかもしれないのに好きな仕事をしたいと考えて今の窮地に陥っています。
たちが悪いことに、一発ヒットが出るとそこから上のジョブにチェンジ出来る可能性があるものだからギャンブル狂のごとくいつまで経っても抜け出せないでいます。

実は他の仕事をしていても、願いを持っていれば必ずこだわっていた仕事に関連することができるようになるのですが、オタですからそんなことには気付きません。
これがオタとしての不幸。

一方、DQN的側面とはどこかというと、給与水準を見て貰えればわかるように実は別段特別なスキルが無くても潜り込める世界なんです。クリエイティブな仕事だからセンスがいるとか、技術がいるとか、知識がいるだとか考えがちですが、そういう世界で周りを見渡すと技術系なのに元文系の人が働いていたりしませんか?要するに別にこだわりがなくても、ふらっと入って来られてしまう世界なんです。DQNは別段こだわりがないので、ふらふらと給与の低い仕事を渡り歩くわけです。でも、その代わり天職と呼べる職業に就くチャンスが増えます。全然つまらなそうだけど、金のためにやるかと取り組んだらめちゃはまったなんてのがありえるわけです。これがDQNサイドのメリット。

すると、オタな土方はどうでしょうか。土方仕事は本来DQNな仕事なんです。で、あるにもかかわらずオタ的に取り組んでいるため、実は自分にはもっと他にやるべき、やるともっと面白いと感じられる仕事があるかもしれないわけです。それを掴むチャンスを全部捨てている。これがDQN的側面でのメリットを活かさずにデメリットを持っているということです。

この状況を抜け出すにはどうしたらよいのでしょうか?
次はそれを考えてみましょう。