【コラム】皮肉なことに電子書籍化が一番早く進む日本

グーグルによる電子書籍化を日本の出版社が拒否したため一番電子書籍化が遅れたように思えた日本ですが、ここに来て一番早く電子書籍化が進む可能性が出てきました。
http://blog.livedoor.jp/businesslaw/archives/52029061.html

ここに書いてあるように業者に手持ちの書籍を電子書籍化して貰うこと自体がすでに黒という解釈もありますが、なんと100円で電子書籍化を請け負う会社が現れたわけです。最初の本は客が買ったもので裁断されてゴミになりますが、一度電子書籍化した本は裁断せずに転売すれば、次から丸々儲けになります。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100612-00000069-yom-soci

この会社はそのうちつぶされるでしょうが、例えば、ある一定のお金を払えば自炊した電子書籍が自由に落とせるアングラな会社も現れるだろうし、さらに自炊した電子書籍を互いに共有しあうクローズドで狭いコミュニティーが現れてもおかしくありません。また、上記のような会社でも短期で会社を畳むことを念頭に置いてあらかじめ揃えた人気書籍を売るようにして、送金先をペイパルを介した海外の口座にしてしまえば補足するのはほぼ不可能になります。

結局、問題は日本で電子書籍化が遅れているため、他の国以上に自炊する人が増えたことです。結果それを悪用する人の数も増えてしまったということ。

こういった犯罪を防ぐ確実な方法。それは暗号化して本人認識の必要な電子書籍でのみ販売するという方法です。iPadのようなタブレットの売れ具合次第ですが、そのうち電子書籍のみの発売が増えてくるでしょう。それに実際、有名な著者以外は本を作ってもらうと実質自腹を切らないといけない状態なのでほとんどの書籍が電子書籍化に向かう下地は十分出来ています。

あとはコピー解除されなくて、それでいてネットにつながっていなくてもある程度落とした書籍を読める堅牢なシステム、さらにアップルのような縛りが強くなく著者の取り分の多いシステムを作ったところが勝ち上がっていくはずです。同人誌も含めてほとんどの日本の漫画が読めないアップルは残念ながら日本では勝ち残れないので、あとは縦書きにどれだけ対応出来るかで勝負が決まってきます。