【コラム】ポスドク問題の解決法

ポスドク問題の解決法といっても、既存の溢れかえった人達の話でなく、これからの人達向け。
大学の収益性をあげるために大学院教育を重点化してその後のキャリアプランを一切作ることなく大学院生の数を増やしたのがポスドク問題の元凶。奨学金返却未払い問題も同じ問題だ。

そこで、入り口を絞って数を減らせばよいという意見がある。
その減らし方として試験をより難しくすればよいとか、実際に取れる人数に制限を加えればよいという話である。しかし、ボスにとって無料で、というか授業料という形でお金を払ってまでただ働きしてくれる大学院生は日本の競争力を上げる重要な戦力である。
それを強制的に減らすということは結果的に日本の科学の力をさらに弱めることになりはしないだろうか。

問題は、卒業した後に就職先がないことにある。企業は新卒を採りたがり、博士号を持った人は基本的に取りたがらない。しかし、だからといって、入学者の数を絞ったところで全員がアカデミックポストにつけるわけではないのでその問題が解決するわけではない。

一番の解決法は、法人税を下げて企業が人を雇いやすくして、海外からの投資を呼び込み、技術やお金を持っている人を日本に呼び込むようにして仕事を増やすということをしないといけないのだが、今の民主党にはそんなことは期待できない。

そこで、税金を一切使わずにアカデミアの世界だけで解決できる方法。
大学院への入学条件として形だけの試験に加えて、
1)医師免許、歯科医師免許、薬剤師免許を持っている。
2)自国に必ず帰る外国人。
3)企業からの派遣、実家が自営業ならそこからの派遣でも良い。(その際、給料明細書の提出を義務づける。どんなに安くても良いので大学院時代にちゃんと給与が支払われていることを照明しないといけない、よく企業からの派遣で途中で会社を辞める人がいるが、その場合、退学処分としてそれは禁止する。)
4)特殊な能力を持っていてお金を稼げることを証明できる。
以上4つのうちどれかを満たさないといけないとすればよい。
そうすれば、奨学金返却未払いの問題も減るだろう。

だいたい芽が出なかった場合、路頭に迷うと分かっていつつ参入してくる人がいるのが問題になっているわけだ。あとは企業側がこの制度をどう利用するかである。優秀な学生を勧誘する条件にするか、入社後の訓練として活用するか、それは企業次第だ。
いずれにしろ、つぶしのきかない人間が大学院に入れなくするのが、兵隊が欲しい教授も、学生本人もWin-Winだ。もし、アカデミックハラスメントがあっても、辞めれば良いだけだから学生側も強気に出られる。