【コラム】収入が少なくても暮らしていけるアメリカ

アメリカの家は結構家具や家電が備え付けのことが多い。
冷蔵庫、レンジ、ガスコンロ、食器洗浄機、押し入れや納戸などの収納スペースは最低限ついていてあとはレンタル料を払って洗濯機、乾燥機を使えるといった感じ。洗濯機、乾燥機はコインランドリーという場合も多い。
すると、あと必要なものは食卓とソファーとテレビとそのスタンドとランプ一式である。
ランプ一式とは不思議なことにそれだけ家具が備え付けなのに電灯は全くないことが多いのだ。
しかし、これらもガレージセールで20-30ドル払えば手に入ることが多い。

中古自動車はバカ高いくせに同じ生活必需品の家庭内の物品はそんな値段でやり取りされているのだ。
ガレージセールは本当にがらくたが多いので、一番の狙い目は教会で開かれるバザーだ。寄付の意味合いもあってかなり良質のものが信じられないような低価格で売られている。
次にそれなりに市場原理が働いているのが、以前紹介したCraigslist。日本版もあるんだけど全然浸透していないね。

日本だと過剰サービス精神が発揮されて結構使えるものでも、他人様にあげるのは悪いだの、恥ずかしいだのと理由を付けて捨てられることが多いが、こちらはまず売ることを試みることが普通だ。

つまり、アメリカで最低限の普通の生活をしようと思えば、家賃と食費さえ払えば何とかなるのである。

家賃は安全度に比例していくらでも安いところはあるし、食材も価格のバリエーションは相当広い。上はWhole Foods Marketのオーガニック食材から、下は本当信じられないくらい安い店があるようだ。行ったことないけど…Wal-Martですら人の食べ物ではないと感じられる怪しい食材が沢山あったが、正直言ってそのWal-Martですら実はミドルレンジだったりする。

まさに日本で言われているベーシックインカムの5万円や7万円で、本当に普通の生活が出来てしまうのだ。まぁ、日本でもそういうところはあるけどね…福岡だと5万円近くするようなワンルームアパートが、徳島の鳴門だと2万円+駐車場つきとか…

とはいえ、家具がそれだけ安く手に入ることはなかなかない。
家賃も食材も下限は必ず存在するのでこれ以上下げようはないという限界はあるが、家具や電化製品などに下限は存在しないという印象さえあるわけです。

もちろん、日本にもハードオフなど超廉価中古ショップはありますが、探せば上質のものが低価格で手に入るという点が異なります。これも昨日書いた階層の開きのおかげです。総中流社会では余り物の質もやはり一ランク下がるわけです。ところが、アメリカは階層が広がっている分、ちょっと上の階層のあまりものが我がの階層には十分すぎるということが起こるわけです。