【コラム】アメリカと中国の違い

アメリカでは商売がやりやすい。何故かというと、日本のように総中流社会でないため適正価格がそれだけあやふやなのだ。日本の食材だと、デパート>近所のスーパー>近所の商店街のせいぜい3段階、しかも、下二つはそれほど変わらない。アメリカだとこれが5段階くらいある印象がある。食材は値段が比べやすいからそれで済んでいるが、他の商品、サービスの対価は本当にピンキリだ。
基本的には収入に対する支出の割合が同程度になるように価格が設定されている印象がある。
散髪なら、下は5ドルもあるだろうし上は500ドルもある。それぞれの収入に合わせて来てくれというスタンスで決して万人に対して商売をしていない。
うちはこれくらいの収入の人を顧客として考えていますよというのがはっきりしている。
日本だとそれがあるのはデパートやブランドものくらいだろう。それでいて、本当にそんなに価値があるの?といううさんくささがぷんぷん漂っている。
ところが、こちらはうちはこれだけの収入が欲しいのでこの値段を付けています。嫌なら来なくても構いません。別に困りませんからという商品やサービスにそれだけの価値があるかを問わせない雰囲気があるのだ。
あなたの収入ならこれくらいは払ってね。と言い直しても良い。

で、結果的にどうなるか。商品やサービスといってもその原価にそこまでの差があるわけではありません。高いもの、高いサービスを提供したものがそれだけ利ざやを簡単に稼ぐことができる。

その結果、大金持ちを顧客に持つ店が中金持ちになり、中金持ちを顧客に持つ店が小金持ちになるといった段階的なヒエラルキーができるわけです。

つまり、圧倒的な金持ちと貧乏人という中国のような状況でなく、ビリオネラーもいるかもしれないけど、ミリオネラーの下から割と段々と段階的に収入の区分が現れるわけ。もちろん、金持ちの方が圧倒的な少数派だけどね。

そして、セーフティーネットとして働いているのが個人売買だ。これについては明日。