【コラム】NATIONAL GALLERY OF ART 芸術は科学だったのか?

11日DCに桜を観に行ったのですが、完全に散っていましたorz
4月3日のブログで三分咲きなんて話があったのでまだ大丈夫かなと思っていたのですが、一気に暖かくなったのと雨が2回降ったので散ってしまったようです。
議事堂前の地面には花びら一つ落ちていませんでしたよ。

しょうがないので、NATIONAL GALLERY OF ARTに絵を観に行きました。
National Gallery of Art

料金は無料。
カバンは預けないといけませんでしたが、PCは自分で持っておけといわれて、MacBookProを片手に鑑賞。

議事堂側の分館から入ったのですが、現代美術の地下、入り口近くの印象派ブロック、奥にあるベニスの絵画特集といった感じで、40分くらいで見終われそうでした。
ところが、地下からつながる本館の展示物の数が半端では無かった。メトロポリタンにはやや負けるかもしれませんが、それに匹敵する数があり、結局6割か7割しかチェック出来ませんでしたよ。

さて、ベニスの絵画特集はCanalettoとそのライバル達という名前で展示されておりました。
http://www.nga.gov/exhibitions/veniceinfo.shtm

ベニスの町並みを色んな角度から描いた絵が展示されており、当然同じ場所ですから街の中央の塔は多くの絵に出てきます。

ところが、50から60くらいあったでしょうか。どの絵も描き方がそっくり。実際は30人以上の描き手の絵が並んでいるのですが、どれが誰の手によるものかはさっぱり見分けが付きません。


面白いくらい同じテクニック。これを見てふと思ったわけです。現代生物学においてみんながみんな分子生物学的手法に捕らわれているのとそっくりだなと。
そうじゃないと評価されなかったのでしょう。

現代では当時のように写実的に描くことを売りにする画家はほとんどいません。
写真が発達したこともあるし、どこにでも旅行に行ける時代になったということもあるでしょう。どこかの美しい場所を写実的に描いただけでは誰も絵を買ってくれない時代になったというのもあります。

逆に言うと、当時は今ほど科学者といえるような人はほとんどおらず、怪しい錬金術師か、ローテクの町医者くらいでしょう。そういったポテンシャルを持った人の一部は画家になっていたのかもしれません。画家と科学者では全く資質や求めているものが違うように感じるかもしれませんが、ものを創る、新しい概念を打ち立てる、新しい見方を提示するという意味では全く同じ方向性です。