【コラム】システムとしてのいじめの解決法

以前いじめの解決法を書きましたが、いじめっ子の親は大抵DQNなのと心理的にいじめっ子の方を褒めるというのは中々難しい。
http://d.hatena.ne.jp/AMOKN/20100503
そこで、教師の能力に頼らないいじめの解決法を書いておく。

いじめで一番問題なのは教室全体がその子を見下し、いじめる雰囲気が出来たときであろう。
いじめっ子の心理は自分に何もないのがわかっているから、とにかく自分より下の人間を作りたいという心理である。例えいじめられっ子がスポーツ万能でも、頭が良くても、見た目が良くても、いじめられっ子になり得るのは、そういうDQNの子が自分ルールのヒエラルキーを回りに押しつけ、同じように追い詰められている子にその価値観を受け入れさせることで成立する。

最終的に教室にある種のヒエラルキーが固定化して、いじめられっ子が一番下に追い詰められていく。そのちょっと上の子はそこに落とされるのが嫌だからいじめる側に回るインセンティブが働く。

ということは、そのヒエラルキーを壊せばよいわけですよ。
順位付けができない状態にすれば良いんです。

どうするか。

クラスのメンバーを固定化しないことです。

やり方は色々あります。
まずは同じ学校で、毎週シャッフルする。
属するクラスをABCの三つにして、毎週順番に変わっていく。
進達度によって、場合によっては上の学年や下の学年の子と一緒に授業を受ける。
近くの学校と時々学生の交換を行う。その場合、少人数、同数いくつかパターンがあります。少人数の場合、超アウェイですから、いじめっ子にもいじめられっ子にもそれぞれメリットがあります。いじめっ子はいじめられっ子の立場がわかり、いじめられっ子はヒエラルキーの下にいても、違う扱いを受けることがあることを知ります。

恐らく教師側は授業の進み具合に同期が取れないとか、生徒の性格などが把握出来ないとか色々文句を言うでしょうが、これを実施すると学生の成績は上がると思います。それは学習に関しても固定化したヒエラルキーを受け入れていた生徒が実はもっといろんな可能性があることを肌で感じる機会が増えるからです。

しかし、現実問題、これをすぐに導入するのは難しいでしょう。
ということは、いじめられっ子の親はこれと同じようなことを擬似的に行えばよいわけです。転校も一つの方法なんですが、転校先でもやっぱりコミュニティーはひとつしかないのであまり本質的な解決法になりません。

それよりも、少し離れたところにある別のコミュニティーに子供を入れてあげることです。
スポーツ(卓球、テニス、野球、格闘技)でも、塾でも、ボーイスカウトでも、大人のコミュニティーでも構いません。でも、何かを受けるだけのものではなく、コミュニケーションを取る必要のあるものが良いでしょう。お金がなくても、やり方は色々あると思います。