【コラム】ハブとして機能しているPerfume

しばらく前からようやく20代の彼女たちを受け入れられるようになってきた。
最近考えるのは彼女たちとファンとの関係性が非常に堅牢な枠で守られているということ。
Perfumeとの関係性においてファンの立ち位置が固定されていると言ってもよい。
よく言われるのは中田氏、MIKIKOさん、関さんといったバックアップ、およびメンバー三人で構成されるいくつもの三角形による堅い関係性があるということ。それにファンも加わっているのだけれど、その居場所が決まっている感覚といえばよいだろうか。

ファンとの関係性に普遍性があるからこそ、鏡による反射を見るように別のファンの体験がまるで自分の体験のように感じられるのも特徴である。
これを支えているのが、この3人でやり続けてきたという歴史であり、それが信頼性や普遍性を支えている。

普通同じメンバーでやり続けていると徐々に落ち目になっていく。だから、モーニング娘。はメンバーチェンジを繰り返したのだ。で、そこまでは良かったのだが、やっぱり落ち目になってしまった。年齢で説明するにはまだ若すぎる。
結局、ファンとの関係における堅牢性を維持出来なかったのは、メンバーチェンジしすぎたというのがあるのではないか。卒業もしくは脱退するのは良かったが、結果、徐々に初期のメンバーがいなくなっていくのではお気に入りの娘がいなくなった時点でファンは離れていく。その意味で出たり入ったりの仕組みが必要だったのだろう。

って、それこそAKB48か。でも、AKB48の場合は人数が多すぎる。最終的にあの人数になるのはある意味ありだが、最初からあれでは駄目だろう。

モーニング娘。は曲によって人数を変えつつも、大枠としてはメンバーは替わらないという戦略を取るべきだったのではないだろうか。

で、Perfumeに戻ると、ファンの立ち位置が一緒ということのメリットはもう一つあって、例えば、コンサートにおいてファンとPerfumeが一対一のモニターを通したような関係性となり、そういう関係性において、別のファンと共感出来る点だろう。

例えば、愛内里菜とファンとの関係性はもっと自由な感じだ。歌が好きな人もいれば、彼女が可愛いという理由で好きな人もいる。その結果、他のキモオタはやっぱりキモオタにしか見えない。Perfumeだと、どんなにキモくてもPerfumeとの関係性において共有出来る部分があるからそこはそんなに気にならないような気がする。

ある意味、ソーシャルネットワークとして機能しているPerfumeのもう一つのコンセプトが努力や苦労は報われるということである。ソーシャルである以上、ただのマーケティング以上の何かを日本に与えてくれるポテンシャルがあると思うのだが、それには中田氏を含めもっと攻めて欲しいと思うし、ネットワークにもっと全然関係のなさそうなコラボを入れて欲しいところ。