【コラム】コンテンツ産業の今後

本当は一つにまとめた方が良かったのですが、飲み会だったので途中までしか書けなかったですよ。


今回の話は大きく分けて二つの側面があります。一つはコンテンツ側、もう一つは受け手側の変化です。

コンテンツ側の話は固体と液体で説明出来ます。
今までは下記のようにメジャーとマイナーの間に大きな断裂層があった。
コンテンツ1.jpg


この断層が情報の液体化によって、メジャーがシェイプアップして総売上が落ち込み、マイナー層のメジャー化、セミプロ化が以前に比べて容易になる環境が整いつつあるということです。そのためにまず必要なのはマイナー層を拾い上げるインフラです。
コンテンツ2.jpg


今一番成功しているのは、Dlsiteで売り上げが100億近くあるそうです。
http://home.dlsite.com/
でも、見てみると、エロとBLばっかりなんですよね。
また、Androbookというサービスもあるようです。試験運転みたいですが…
http://blogs.itmedia.co.jp/fukuyuki/2010/10/androidandroboo.html


さて、今までのメジャー側は余分な部分を含めた固体でかつ固定価格で売るため、色々と修飾装飾が可能で、内容的にもマイナーとの間には大きな差が作れたわけです。

修飾装飾の内、装飾は宣伝やパッケージングのことで、修飾とは例えば、ジャンプ漫画が連載を重ねるうちにどんどん絵も上手くなるし、話も面白くなるという風にやはり編集の力も結構大きいんですね。これは音楽においても同じ事。


つまり、編集やエンジアリングやプロデューサーの仕事も断層を埋めるためには絶対不可欠な存在になります。これは既存のプロが独立してプロデュースしていく方法と、最初からそこを狙って新人が力を付けていくという方法があります。

もう一つはそういう場を作って、新人も含めてみんなの力で育てていくという方法があります。マネタイズが難しいですが、ニコニコ動画的な面白さが出てくれば、人も集まってくるでしょう。少なくとも、楽曲作成、PV作成に関してはすでにその兆候が出てきています。


自分が何が得意なのか、何がしたいのかを考えて力を付ければ、それがそのまま評価される世界が出来つつあるということです。


以上は下から上に這い上がる仕組みが出来つつあるよという話で、逆にメジャー側が何が出来るかという話があります。

例えば、週刊ジャンプが漫画部分だけを同価格で電子書籍で販売するとか、全部の内容を送り手に払う金額を上乗せして発売するなんてのはすぐにでも出来ることです。

すると、その後、どんな展開ができるか。

例えば、ワンピースだけを読みたいなんて人も沢山いると思うんですよ。でも、そういった切り売りをしてしまうと新人が育つ場が無くなってしまい、第2のワンピースは二度と生まれません。そのため、切り売りをする場合は例えば、100円とかの金額を付ける必要があるでしょう。

さらに電子書籍化のメリットは新人賞の応募作品を全て載せることが出来ることです。
要するに配信側に手数料を払うために高めの価格設定になるけれど、それを補うだけのコンテンツを追加しやすいということです。

さらにそれが出来るなら、個人で週刊漫画誌を発行することも可能になります。
最初はパロディー主体のものとか、エロ度が強いものとかが占めるでしょうが、値段はジャンプよりも安くなり、面白さによって、Aリーグ, Bリーグ, Cリーグのように階層化していくはずです。

余裕が出来れば、編集を雇うことも出来るようになり、よりプロっぽくなってきます。

もう一つの問題はそういったコンテンツが乱立してきた場合、どれだけ生き残っていけるかという問題があります。今も、メルマガという名でエッセイ、評論系のコンテンツの価格がかなり値上がりしています。マイナーなところはかなり値段を下げないと売れない状況です。


例えば、最近手塚治虫マンガを毎月1000円で読み放題というサービスが立ち上がりましたが、これは作品数が半端無いことと、著作権が一つに集約出来ているからこそ出来ること。
http://tezukaosamumagazineclub.com/

こういったサービスをまとめて受けられる代わりにかなり値引きするといったパッケージング事業もこれから出てくることでしょう。

と、まぁ、ビジネスチャンスはごろごろ転がっているわけです。
一番大事なのは、実際にやるかどうかです。

考えるだけなら誰でも出来ます。でも、一番の違いは実際に取り組む勇気があるかどうかです。

まずは課金制でとにかくやってみれば、あとは勝手に結果がついてくるという考え方もあります。
http://blogs.itmedia.co.jp/fukuyuki/2011/01/post-2c39.html


次回は受け手側で何が起こってくるか、起こって欲しいかの案です。これが実は本題でした。