【コラム】貯金できない年金クレジットカード制度

老人に対する社会保障費が多すぎて、本来必要なヒト、お金を使うヒトにお金が回らなくなっているのが日本の大きな問題。

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20万や30万も払われている公務員の年金を削るところまでなら、なんとか政治主導でできなくもないが、社会保障費全体を削るのは難しい。なにせそれまで年金をちゃんと払ってきたヒトに払わないようにして、むしろ、払っていなかった、払えなかった人達に払うというわけだから心情的に受け入れがたいだろう。ベーシックインカムとか負の所得税というのは、それと同じ事を名前を換えてやれば、心情的な負担も少ないだろうという事だと思う。

ちょっと奇策だが、その中間をいく方法が、貯金できない年金クレジットカード制度だ。

まず、年金は全てクレジットカードで支給する。つまり、毎月の限度額が年金支給額のクレジットカードだ。レシートに必ず残高が表記されるようにする。カードはクレジットカード会社に広く委託して、親切なカード会社なら、日割りした場合の限度金額に対してどれだけプラスかマイナスかも表記してくれるだろう。

さて、この年金クレジットカードの肝は、毎月その限度額の金額がリセットされることだ。つまり、その月の6万の支給額を使わなかったら、そのお金は国庫に戻される。

その代わり、使わなかった分の金額に応じて翌月の年金は少しだけ増えるようにし、逆に満額使った場合は減っていくようにする。この時、使いすぎたか残したかのセットポイントは一番支給額が低い年金に合わせる。つまり、今、国民年金が月々6万とすると、その金額が目安となる。下がるといっても5万5千円は下らないようにする。

すると、20万の厚生年金を貰っているヒトは、貯蓄も十分あるはずなので、もし、年金を優先的に使っていると、どんどんその支給額は減って6万円近くに下がっていくことになる。逆に全く手を付けていないと、どんどん年金支給額は上がって長生きすればするほどその金額は増えていく。つまり、満額使い続けていると、20万、14万、11万、9万と毎月支給額が減っていき、1年以内に5万5千円になるようにする。全く手を付けないと、20万、21万、22万と増えていくが、一度使ってしまうと、一気に減るようにする。
つまり、全く使わないとどんどん上がっていくゲーム性を取り入れるわけ。それでいて、一度でも使ってしまうと、一気に下がるようにすることで使わない楽しみを作る。

この6万以上使ってしまったときの最初の下げ幅をかなり大きく取ることで、実は毎月満額使い切った方がお得なんだけど、本来必要ないお金なので、使わずに貯めよう(貯まらないんだけど、限度額がどんどん増えていく)という気を起こさせる。そこがポイント。

さらに、将来の子供達のための年金制度という部分をしっかりアピールして、使わずに国庫に戻した年金金額によって、栄誉市民賞を設立しても良いだろう。公共事業で作る施設に寄付したとして、その名前を石碑に残すといった特典を設けることでモチベーションを上げるのだ。健康で長生きし、年金を沢山納めて、かつ支給される年金を使わなかったヒトほどそのチャンスが増える。

こういうフリー(実質マイナス)に価値を加えていく方法もあるということ。