ワタミがはまった罠

和民で働いていた女性が就労2ヶ月で自殺し、労災が認められました。


ネットでは、月に100-140時間の超過勤務なんて軽いという意見もありますが、労働時間の限界は、その仕事が好きか嫌いか、労働に対する対価や将来の展望はどうか、何より個人のストレス耐性によって変わってきます。どんな人でも、うつ病にならない程度の労働条件にするべきという考え方が理想ですが、うつ病になりやすい人もいるわけで、このグローバル化が著しい社会で綺麗事だけ言っているわけにはいかないという問題もあるでしょう。それを補うものとして、離職しやすい環境、次の仕事が見つかりやすい社会環境が必要なのでしょう。


しかし、そういうわけにいかないのが今の日本です。次の仕事はすぐには見つかりません。とはいえ、自分に合わない仕事で先の展望が見えないのなら、何故、早めにやめなかったのかという意見が次に出てくるでしょう。


今回の事件で、一番の問題はその点にあります。


命に関わるくらいならやめれば良かったのにといっても、仕事がきつくなってくると辞めるという思考ができなくなるとか、人間関係から辞められなくなるとかの意見もありましたが、本当にそれだけでしょうか?


辞められない理由が家族の生活を支えるためとかなら、行政のセーフティーネットの話になり、やめさせないように監禁したり、暴力をふるっていたならまさに犯罪そのものになります。


みんなが疑っているのは、辞めたくても辞められないような価値観を埋め込まれていたのではないかということです。それは村社会的なものではありません。都会で働いていれば、いくらでもすぐ隣に別の村社会があるからです。住む場所も変えずに隣の村社会に移住することは不可能ではありません。


では、何故、彼女は辞めなかったのか?辞められなかったのか?


洗脳する方法として、眠れなくさせて、徹底した自己否定をさせた後に、救いの手をさしのべるというものがあります。オウム真理教がやっていた方法です。


和民がそうしていたかはわかりませんし、あれだけの規模の会社になると、そんなことは無理なんじゃないのかと考えるのが自然です。


しかし、睡眠時間を削れるだけ削らせて、その人の今までの価値観を全否定した後、自分は価値ある仕事をしているんだと刷り込ませて、辞められなくさせるという方法論が本当に有効であるとしたら、これは恐ろしいことです。


しかも、この方法は、社長の、会社の理念が正しいものであればあるほど、はまってしまいます。和民の社長はこんなこと意図していなかったでしょう。しかし、結果がついてくる裏にはこういう事情があったのかもしれません。


なにせ正しいことを考えて、実行すればするほど、会社の利益も効率もアップするのですから、それにどんな弊害があるかなんて気付きようもありません。


でも、実際、どうであったかは外部からではよくわかりません。
和民のHPをみても、社内環境や社内教育がどうであったかはさっぱりわかりません。しかし、あれだけ従業員がいるはずなのに、肯定するにしろ、否定するにしろ、内部告発がほとんどないことも少し薄気味悪いです。普通はドロップアウトした人が内情をリークしたりするものなのに。リークするほどのことがないのかもしれないし、それだけ辞めていないのかもしれないし、どちらかわかりません。(昨日辺りからぼちぼち出ているようです。)


和民がするべきなのは、どういう社内環境であったかの説明でしょうし、これからどこをどう変えていくか、変えているかの説明でしょう。

年金復活!!国内需要を押し上げる貯金できない年金クレジットカード

アゴラに投稿した記事です。
年金クレカ決済は可能か — 廣戸 典影 – アゴラ


年金は、働かなくなっても、日々の生活に困らないようにというのが本来の目的です。
その意味で、衣食住や病気になっても困らない制度設計が理想です。


そこで、年金上限15万円の案を提案しましたが、
年金上限月15万円制度が日本を救う〜もしフリを読んで
これは、最低どれくらいの年金が必要かをイメージするためというのが本来の目的でした。また、日本の財政が破綻して、ハイパーインフレやデフォルトの危機に陥ったとき、自分の財産の価値がほとんどなくなるか、年金がなくなるかの二択を迫られた場合、選ばれる選択肢としてありとは思いますが、制度を変えるのに選挙を経る必要があり、時間的に無理です。
ここでは、もう少し現実味のある案を提案しておきます。


将来的に年金が破綻したり、減額されたりすることを心配している人もいるかと思いますが、この方法だと今の老人たちが貰っているのと同じ額を貰える確率は大幅に上がります。


概要はこうです。
●年金の管理は全て一元化し、年金は月々のクレジットカードの支払いとして給付する
●本来その人が貰えたはずの年金をクレジットカードの月々の上限に設定して貰う
●そのため、使わなかった年金は年末に国庫もしくは年金機構に返還される
●クレジットカードの現金化は禁止する(要議論)>原案では現金化をしたら年金停止


メリットは
●将来も今と同じだけ年金が貰えます。40万円の年金を貰っている人や同じ職業の人でもやはり40万円貰えます。
●消費が圧倒的に増えます。しかも、個々の人が欲しいと思える商品やサービスにお金が回ります。公共事業として、無駄なモノや利権にお金が回ることなく、景気を刺激し続けます。つまり、破綻しない究極のバブルともいえます。
●普通の生活では40万円を毎月使うのは無理なので、子供や孫のものを買うことで若い世代への所得移転になります。実質的に相続税100%、贈与税0%と同じことを簡単にできるわけです。
●使い切れないお金がそのうち、ボランティアの寄付として使われるようになり、寄付の文化が根付き始めるかも。
●使ってくれれば、景気対策+内需拡大、使ってくれなくても、年金財政負担の軽減とどっちに転んで日本経済のためになります。


医療費に関しては、それこそ保険屋がクレジット決済の保険を作れば良いだけです。


クレジットに対応していない小売業者がいるという人もいるでしょうが、1年前くらいから周知していれば、本当に老人を顧客としている店は自ずとクレジット決済を取り入れるだろうし、できないところのためにクレジット決済導入サービスも生まれるでしょう。


将来的には、使われない年金や、景気の上昇を利用して最低保障年金額を上げるところまで持っていきたいところです。


問題はキャッシングの扱いです。貯金されては元も子もないので、キャッシングは不可にするしかないでしょう。問題はその罰則規定です。この点は次回考察します。

家政婦のミタと宇多田ヒカルから学ぶメガヒットの秘訣

家政婦のミタがメガヒットした理由

昨年は家政婦のミタの最終回の視聴率が関東で40%になったことが話題になりました。
我が家も「利家とまつ」や「100年の物語」などのDVD BOXを買うほどの松嶋菜々子ファンであるため序盤からフォローしておりました。
常に主演ドラマが20%近い視聴率を取っているので、そういう視聴者も多かったとは思いますが、それだけで40%まで伸びることはないでしょう。


やはり、市川悦子の「家政婦が見た!」とどう違うのかと思ってチャンネルを合わせた人もいたはずです。
それが、口コミをどんどん呼び込み、視聴率伸び率トップのドラマになりました。

初回と最終回の視聴率の差が大きいドラマランキング
差  初回→最終
20.5 19.5→40.0|家政婦のミタ
16.7 *7.2→23.9|星の金貨
12.3 11.6→23.9|マルモのおきて ★
11.6 20.7→32.3|東京ラブストーリー
11.5 *7.9→19.4|イグアナの娘
10.9 14.4→25.3|女王の教室
9.5 31.8→41.3|Beautiful Life
9.5 23.1→32.6|愛という名のもとに
9.5 21.3→30.8|眠れる森
9.3 24.9→34.2|やまとなでしこ

後半は視聴率が上がってきていると言うこと自体がニュースになっていましたからそれが主なドライブ源となっていたでしょうが、序盤はやはり、どれだけ興味本位で見る人を呼び込めるかが肝だったはずです。


つまり、視聴率が上がった理由として、タイトルをもっとセンセーショナルなものにも出来ただろうし、ドラマのテーマ的なものを示唆するものにも出来たし、もっと謎めいたものにも出来たのに、あえて偽物感の漂う既存のドラマのタイトルを採用したことと、家政婦は見た!とは全く異なる内容にしたことが挙げられます。そのため、誰も二つのドラマを比較したりはしませんでした。

宇多田ヒカルがメガヒットした理由

一方、宇多田ヒカルの場合、バイリンガルのR&B歌手というだけではここまで売れなかったでしょう。他のもっと美人だったり、もっと歌が上手い同様の歌手をみれば明らかです。宇多田ヒカルが掴みとして藤圭子の娘だからという部分が世代を越えた注目を集めたことは間違いないでしょう。それでいて、歌のジャンルは全く異なりました。
声は似ているという人はいても、二人の歌を比較する人はあまりいません。

■幅広い世代へのアピールと意外性のある内容が重要

以上二つの事例からメガヒットする秘訣がわかります。これは当然マーケティングにもそのまま応用できます。


何か商品なり、情報商材を売る時には自己満足的な聞いたこともないような名前でなく、既存の有名なものを連想させる名前にするべきということです。そうしないと、その新しい名前を売り込むためだけに多額の宣伝費を投入する必要が出てきます。宇多田ヒカルは名前にそれが入っているわけではないですが、デビュー当時からしばらくの間、情報番組で取り上げられる時は必ず藤圭子の名前が挙げられていました。


もう一つは、既存の名前から連想されるものとは少し異なるサービス内容にするべきということです。但し、全くジャンルが異なってはいけません。ミタは家政婦だったし、宇多田ヒカルは歌手でした。


例えば、New YorkのJAZZ clubにJAZZ Standardという新しいクラブがあります。その姉妹店の名前はBlue Smokeでした。老舗のJAZZ Clubには、Irridium, village Vangard, Blue Note, Birdland, Smokeなどがあるため、全く新しい名前でなく、 有名店から連想できる名前や簡単な単語を組み合わせただけの名前にしています。さらにJAZZ Standardでは毎週月曜日JAZZ musician協会の凄腕だけで組んだMINGUS ORCHESTRAというバンドの演奏を提供しています。そうすることで、客入りを計算できるようにすると同時にブランド強化をはかっているわけです。また、Smokeに次ぐ料理の質でありながら、値段的にはJAZZ clubでは最安値レベル、それでいて隣の席との空間的な余裕も一番あるように配置され、比較的ゴージャスな店内の内装も合間って、居心地の良い空間を作っています。店自体のブランド力を上げることで有名なミュージシャンに頼らない安定した経営が出来るわけです。

家政婦のミタに似たドラマ!?

ところで、家政婦のミタ同様、善人が全く出てこずにとんでも展開するドラマをご存知でしょうか?


その一つに渡部篤郎広末涼子主演の「愛なんていらねえよ、夏」があります。


簡単なあらすじをwikiから引用しておくと、

歌舞伎町でホストをやっていたレイジは、客の女性が犯した横領に関わっているとして警察に逮捕される。数ヵ月後出所したレイジに待っていたものは、七億三千万という多額の借金と仲間の裏切り。借金を返すことが出来なければ、レイジは死ぬことになる。途方にくれるレイジの前に真壁恭一と名乗る弁護士が現れる。鎌倉に豪邸を構える令嬢・鷹園亜子の、生き別れた兄を探してやって来たのであった。レイジは彼女の財産で借金を返済しようと企み、亜子の兄として鷹園家に乗り込む。女性をだますことを仕事にしてきたようなレイジにとって、小娘一人を丸め込むなどたやすいことに思えたが、そこにいたのは心をかたくなに閉ざした盲目の少女だった。


レンタルも出来るはずなので、もし、観るならネタバレのあるレビューなど読まずに見ることをおすすめします。
ミタ同様、ずっと高いテンションを保ったままストーリーが進むので、第一話で面白いと感じなければ、見続ける必要はありません。


このドラマは視聴率7.8%しかいかなかったわけですが、タイトルをミタ同様に半分パクリにしておけば、もっと伸びたのかもしれません。内容は全くのオリジナルですから。

初詣で願い事を叶える方法

明けましておめでとうございます。
皆さんは初詣に行かれたでしょうか。私は五社ほど回りました。


初詣に行ったヒトでも年に一回しか神社に行かないヒトもいることでしょう。
お賽銭を投げて、願い事をしたヒトもたくさんいることでしょう。


今日は、その願い事を叶えてくれようと神様が優先的に手伝ってくれる方法を書いておきます。


大事なポイントは二つあります。


一つ目は、神様にあなたの言葉で労をねぎらい、神様の健康をお祈りしましょう。


二つ目は、あなたの願い事は絶対にアタマに思い描いてはいけません。つまり、あなたの願い事は一切言ってはいけないのです。



どういうことか。


仮に本当に神様がいたとします。


その神様は同時に1000の言葉を聞き分ける能力があったとします。


すると、毎年毎年、正月になると、年に一回しか見かけない人たちが受験に合格したいとか、好きな人とつきあいたいとか結婚したいとか、事業が成功してほしいとか、病気が治ってほしいとか言ってくるわけです。一番多いのは家族が健康でいられますようにでしょうか。


実はどれもこれも本人たちの心がけ次第で何とでもなる願い事ばかりです。


そんな中に、感謝の言葉も願い事も言わずに自分の健康を願ってくれるヒトがいるわけです。


あなたが神様ならどうしますか?


私なら、おぃおぃ、勘弁してくれ、わしを誰と思っとんじゃいと、その人の後を追いかけるでしょう。そして、ついつい余計なお節介をしたくなります。そんなことも露知りませんから、その人は神様に感謝はしないでしょう。しかし、それでも良いのです。恐らく神様にとって、満足度の高いのはこちらの方だからです。



ところで、話は変わりますが、古事記に書かれている倭の国の物語の舞台が徳島県であるという話をご存じでしょうか?
徳島の謎
(リンク先の後半はとんでもですが、前半の考察はしっかりしています)


アマゾンの本だとここ



Youtubeだとこれとか。



徳島県には古事記に書かれている様々な地名が多数残っていること。
神社は様々な神様をまつっていますが、日本全国で一社しか祭っていない神様が徳島県に集中していることなどがあります。


天の岩戸は島根県出雲市が一番有名ですが、あんなヒトが隠れられそうもない小さい岩でなく、確かにヒトが隠れられそうだと思える大きさの岩がちゃんと徳島県には存在しています。

日本の科学力と成長率と主婦の収入をいっぺんに増やす方法

今回の提案で次のようなことが実現できます。


一般の人の科学に対する理解が深まります。
雇用の問題が一部解決します。
一般の人と科学者の認識のギャップを埋めることが出来ます。
主婦の収入を増やし、日本の生産性を底上げすることが出来ます。


科学理解という意味で、今年一番問題になったのはやはり放射能問題です。


結局、原発の問題も放射線医学に一番詳しい人達から、普通の科学者や医師への情報伝達、そこからの一般の人への啓蒙が足りないことが過剰な反応の原因となっています。


こういった問題を解決する意味でも今回の提案は有効だと思われます。


具体的には寄付の仕組みを活かすということですが、現行制度のままでは寄付を得られる期待値やメリットが少なすぎてほとんど機能していない状態です。



そこで、寄付を受ける方にもする方にもインセンティブが働く方法を提案してみます。


最初はすでに予算を獲得している人だけが寄付を受けられる仕組みの方が効率が良くなると考えていましたが、デメリットとして、予算を獲得していない、獲得できない残り80%の科学者がお茶を引くことになってしまうこと。予算配分を決定する側の既得権を余計に釣り上げることになってしまうので、誰でも参加できた方が良いと考え直して案をビルドアップしてみました。


研究者サイド
まず、一回で受け付ける寄付の額によってエントリーできる枠が異なるようにします。例えば、10万円以下、100万円以下、1000万円以下、それ以上といった具合です。
さらに前年度の獲得予算額によってエントリーできる枠に制限を加えます。
具体的には図を見て貰った方が楽ですが、基本的に自分が得た研究費の総額と同じものと一つ上か一つ下にしかエントリーできないことにします。
エントリーシートは毎年一人A4で1枚分のみ。但し、詳細を説明するためのWebのリンクによる誘導はあり。
それとは別に各年度で得た予算額と寄付の総額とMインデックス(PIの場合)も線グラフのチャートで併記します。これは官庁の持つデータベースで自動的に表示されるようにすれば良いです。Mインデックスに関してはこちら。


【コラム】PIの新しい評価方法・M index と I index - AMOKNの日記


こうすることで、科学者側は一般の人に説明するアウトリーチの活動に必死になります。


寄付制度.jpg


寄付する側
寄付する側は、1回で寄付する金額によって四つの枠組みから興味のある分野のエントリーシートをみて寄付する先を決めます。受付を文科省にしておけば、省益にもなるので喜んでやるでしょう。


但し、これだけでは誰も寄付しません。
そこで寄付をしたいと思わせる仕組みを二つ作ります。


1)寄付した人の名前が一生残る
論文の謝辞に寄付してくれた人トップ3以上の名前を入れるようにします。
今でも研究費をどこから貰ったかは書く必要があるので、それと同じことです。
しかも、自分が寄付した相手の寄付ランキングで何位にあるのかを寄付すると分かるようにしておきます。すると、追加の寄付をしてランキングを上げたいというインセンティブも働くでしょう。
名前を残したいと考える人はマイナーな研究だけど、論文が確実に出そうなところに寄付をするという気持ちにもなるし、そういった研究をしているところを紹介するサイトといった研究者の副業サイトも現れるかもしれません。
尚、PIの場合はreviewの謝辞に載せることで1st authorとのバッティングが避けられます。普通の論文の場合は1st authorの寄付を優先ということです。


2)税金が控除される
最も大事な仕組みが次になります。
寄付をするとそれと同額だけ所得控除になるという仕組みです。
つまり、100万円寄付すると、所得から100万円減ると同時に残った所得のうち100万円が所得控除になるというわけです。


すると、この仕組みを利用したい人たちが主に3つ出てきます。


a)企業
見かけ上収益が無いようにしたり、独占する必要は無いけど進んでほしい研究分野がある企業です。
利益相反の問題もありますが、研究者側で辞退したり、もしくはちゃんと宣言すれば問題ないでしょう。


b)税金を減らしたい人
各種控除後の所得に税金がかかるため、税率が変わった人はできれば、下の税率のグループに戻りたいはずです。そういう人たちが下のグループに入るための分だけ寄付してくれるでしょう。その際、どの研究が良いかじっくり見てくれれば科学に対する理解も深まりますし、研究者側も理解できるモノを書く必要が出てきます。


c)扶養家族で居続けたい主婦
現行制度では103万円を越える収入を得てしまうと、扶養家族ではいられません。そのため、あえて仕事をセーブして働いている有能な主婦がたくさんいます。この制度を廃止すべきという考え方もありますが、150万円分働いて25万寄付することで最終的に所得を100万円に抑えつつ、実質的に得られた賃金を125万にすることが出来ます。300万なら100万円寄付して、残るのは200万、申告は100万の扱いです。
こうすることで、本人が望む金額で扶養家族から離れて独立できるようになります。
この制度の一番のメリットは潜在的に眠っている有能な主婦の力を利用できることです。


その他のメリット

寄付の金額にもよりますが、直接投資が増えるので科学研究費に対する財政支出を削ることが出来ます。


寄付の文化が育ちます。


実質的な研究費は増えるので雇用が増えます。


新たに雇われた人たちを中心に科学に対する理解が深まります。


所得税の歳入は減りますが、生産性が増えたり、研究費は貯蓄されること無く必ず使われるのでその分消費税による歳入が増え、全体的には成長率を上げる効果があるでしょう。



尚、寄付したお金がマネーロンダリングや研究者の懐にはいるだけの心配をする方もいるかと思いますが、最近の研究費の扱いは非常に厳しくなっていて、3万円の試薬を買っただけでも事務の人がそれを確認しにくるといった大学もあるようです。懲罰のリスクを考えるとそういったことになるのは稀でしょう。


日本の技術力を国民の目で判断して発展させていきつつも、生産性や雇用の問題も解決できる案だと思いますが、いかがでしょうか。

研究者は副業をするべき

日本の科学研究費は右肩上がりなのに、研究成果はむしろ下がっているという報告があります。これは、研究費そのものは上がっているが、独立法人化や財政難の影響で大学の交付金が減っているので実質的な研究費はそこまで増えていないというのもあるのでしょうが、本質的にはそれが理由ではありません。


理由は二つあって、一つは新しい事実を発見するには、よりミクロなモノを捕らえられる機器が必要なことが結構あり、そういった機器が1億円とかの金額になり、普通の研究費では買えないというのがあります。
そこまでいかなくても新しい技術のランニングコストはとにかくお金がかかるのです。
ただし、評価の高くなる研究の中でそういった高額機器を使った研究は1割もなくて、ほとんどのインパクトの高い研究で求められるのは学際的な仕事です。


学際的とは、あれやこれや色んなアプローチのデータが入っているモノです。そうすることで、主張したい仮説の裏を色んな角度から証明できて、信用されるわけです。


ところが、それらの色んなアプローチの一つ一つは新しい技術として昔はもの凄く高かった機器や試薬が普及品として値段が下がってきたモノたちです。とはいえ、機器になると数百万円するモノが多いです。


日本の研究者の一般的な研究費がいくらぐらいかご存じでしょうか?


文科省が配っているモノはここで調べることが出来ます。
KAKEN — Research Projects


採択数の多い基盤研究C、挑戦的萌芽研究、若手研究Bという枠は平均すると、年間100-150万円です。それらの採択率は平均すると20%前後です。
つまり、ざっくりいって研究者のうち研究費を取れているのは20%前後で、しかも、金額は多くて150万円ぽっちなのです。


これでは高額機器を多数利用した研究が出来ないのがわかると思います。


アメリカではどうなっているかというと、まず、研究費の金額がもう少し増えます。さらに試薬の値段が日本の半額以下。そして、一番重要なのは高額機器をいくつかのラボで共有する仕組みが発達していることです。


よって、今すぐ日本で出来る仕組みの改善方法は、
1)アメリカから直接試薬を輸入できるように予算の使い方の弾力性を上げること
2)機器の共同利用を義務づけること


例えば、抗体だとアメリカで260ドルのモノが日本だと6万円とかするわけです。直輸入しても送料は1万円程度でしょう。まとめて買えばさらに安くなります。


そして、もう一つが今回のテーマである副業です。


問題は二つあります。
一つは日本の研究者は副業や、研究を発展させた起業をとても嫌う文化があることです。


池谷祐二さんという脳神経科学者がいます。奥さんが元編集者ということもあって、本を何冊か出しているので知っている人もいるでしょう。
当然、印税などでそれなりの収入があります。ところが、こんな風に説明しないといけないほど、風当たりが強いわけです。
研究者のメディア活動について


彼のラボは今年Scienceというトップジャーナルに2報出していますが、日本の研究者でScienceに年間2報も出している人は5人もいないではないでしょうか。


これだけ業績を出しても、研究に専念すべきだというわけです。はっきりいうと、妬みと嫉妬が9割以上でしょう。


それでも、譲らない人がいます。
それだけ生産性の高い人は研究に専念すべきだというわけです。


でも、これって、生産性の高くない人は、研究に専念すべきでないということの裏返しですよね。しかも、日本の研究者のほとんどは予算の制約があるとはいえ、生産性が高くないわけです。



もう一つの問題は副業しても別に研究費が増えるわけではないことです。


そこで、そこに手を入れてはどうでしょうかというのが、今回の提案です。


研究者の副業を解禁・推奨して、その収入のうち10%を自分の研究費として使わなければいけないとするわけです。アイデアや技術のない人は共同研究として他の研究者にお金だけ提供するのでも良いでしょう。


昔は、研究者は起業するべきだと考えていましたが、起業なんて成功率は10%以下です。ただでさえ社会適応できないから大学に残ったという変人が多い研究者ですから、これでは路頭に迷う人の方が増えてしまいます。しかし、副業ならリスクも最小化できます。今ならサーバー一つ借りるのに月に1000円もあれば十分ですから、IT系の副業なら簡単にできるでしょう。何も数百万稼ぐ必要は無いのです。
そんな人は全体の5%もいれば十分です。


研究の社会への還元がよく歌われますが、ほとんどの研究はダイレクトにお金につながりません。しかし、最終的な小売りまで経験できれば、サブテーマとしてマネタイズにつながる研究は自ずと発展していくでしょう。


さらに起業してそれが大成功した人が、研究職を離れてくれると、ポスドクの就職問題も少し改善します。そういう成功例が増えていけば、日本の企業の博士を雇わないという文化も少しずつ変わっていくはずです。こいつらは金になるということをアピール出来るからです。

除染活動の本当の意味

ちょっと前になりますが、テレビで持ち家の除染作業に18万円払ったという家が紹介されていました。


何をするかというと、高圧ポンプを利用した噴霧器で家の壁や屋根を洗い流していました。液体に界面活性剤が入っているのかどうかわかりませんが、1年間雨で洗い流される効果のことを考えると、ほとんど意味がない作業ですし、そもそも原発近くのよほど高い値でもない限り外部被曝は健康によいので、やっていることは全く逆効果なのです。


では、そんなことは無駄だし、止めるべきでしょうか。



そうではありません。


除染活動にはちゃんと別の意味があります。



資本主義の本質とは何でしょうか?



資本主義とは本来価値のないものに価値を与えることの積み重ねです。


人によっては無駄と思えたり、別に苦でも何でも無いものをありがたがって価値を付けていく行為です。
そもそもお金なんて、ただの紙切れだったり、金属の塊に過ぎません。



例えば、原発事故も何もない、沖縄の家で同じ作業をして貰って、18万払う人はいるでしょうか?


いませんよね。


一方、福島から少し離れたところに住んでいる人はどうでしょうか?
お金を持っている人の中には正確な情報判断が出来なくて出してしまう人もいるのでしょう。


テレビに出ていた業者もこれが意味のある事かどうかわからないと正直に話していましたが、正しい知識を持っていない客なら満足して貰えます。



本当に危険であれば、18万は安いと思うけれど、全く危険でないと考えるとちょっと割高です。


しかし、こういう商売を成り立たせたという意味で危険厨のデマゴギーには意味があります。



結果、普段ほとんどお金を使わない高齢者世帯がそれだけのお金を払います。
但し、放射能に対する関心は徐々に失われていきますから、せいぜい2〜3年しか保たないビジネスです。将来的にパイもどんどん小さくなっていきます。


つまり、このビジネスは短期の景気回復剤であり、そこで得られた収入も所詮あぶく銭というところがみそです。普段では手に入らないような収入を業者は得られるでしょう。それらはハイテク家電機器、高級車、高級レストランなどで散財されます。これは福島を中心にお金がまわるということです。


さらに屋根の上にのぼったりしないといけないので、年寄りには出来ない作業です。



ということは、除染活動の本質は、お金に余裕のある高齢者から、若者への所得移転という側面があります。



そして、こういった方法で所得を得た人々は放射能に対する関心が一段落した後、どうするでしょうか。2、3年前は良かったとすんなり諦めるでしょうか。
恐らく、ちょっとした自然発症の子供のガンなどを取り上げて、恐怖をあおる側にまわるでしょう。さらに同じようにあぶく銭を得られる仕事を探すでしょう。でも、それはそれで構わないと思います。



真のユートピアとはどんな世界でしょうか?



私は男も女もあらゆる人が、あらゆる年齢から、あらゆることに挑戦出来る社会だと考えます。



実際に現場で除染活動をする人の大儀は色々でしょう。


本当に子供のことを思うなら、車の走る狭い十字路に反射鏡を付けることとか、ガードレールを増やす運動とか、子供の通学路に監視カメラを付けることとかの方がよっぽど効果的です。


中には金儲けだけの人達もいるわけです。
それを批判する人もいますが、私はそれで構わないと思います。
むしろ、どんどんいろんな怪しい人達が参入すればよいとすら考えています。


人が参入すればするほど、ぼったくり業者は駆逐されていきます。
除染活動は洗ったり、取り除いたりするだけですから、ほとんどごまかしようがありません。金額が高くても払った人が妥当な金額だと感じるなら問題ないわけです。




国や地方自治体がこんな無駄なことをするべきではないと思いますが、それすらもよしと考えます。
その結果、お金があぶく銭として業者に入るからです。
そして、その分、国の財政はますます圧迫されるでしょう。
財政がはじける時期が早まるかもしれません。
しかし、それは産業構造や収益構造ががらりと変わっていく時代の変化について行こうというバイタリティー溢れる人たちの予行演習みたいなものになりえるでしょう。

使うにしろ、稼ぐにしろ、資本主義社会において豊かさとはお金が動くことです。


大事なのは今までとは違うお金の使い方をどんどんしていくことです。
それが悪手でも何でも良いのです。崩壊と再生という過程の中でダメージを下げるには、硬直性からの急速な崩壊よりも、ちょっとした軽い崩壊を直前に挟んだ方が役立つからです。除染活動に数兆円!いいじゃないですか。それくらいブレがないと崩壊時のショックとダメージは計り知れないものになってしまいます。



まとめると、除染活動は
1.高齢者から若年層への富の再分配
2.学歴や過去の業績に依存しない誰でも始められる新規産業
3.財政崩壊後における再生の予行演習
といった意味があります。